トレンド特急便

「いもむしカレー」開発 昆虫食のエントモ

2020年11月4日

高タンパク質、各種ミネラル豊富… 食生活を豊かに

イモムシ「シアワーム」は型崩れせずに、“ゴロゴロ”入っている
産学連携で「いもむしゴロゴロカレー」を開発した松井欣也教授(左)と松井崇社長

 昆虫食の開発と販売を行う「昆虫食のentomo(エントモ)」(和泉市、松井崇社長)は、西アフリカ・ブルキナファソのシアの木に生息する食用イモムシを使用した「いもむしゴロゴロカレー」を開発した。牛や豚に代わる高タンパク質の食材として欧米を中心に世界各国で研究開発が進む昆虫食。日本の国民食とも言えるカレーとのコラボレーションの味は果たして−。

 イモムシは、高級保湿クリームのシアバターで有名なシアに生息し、葉を食べて成長する。現地では煮込み料理に多用され、採取は女性たちの仕事になっている。同社では、現地の女性団体から加工されたものを輸入。国連が提唱する「持続可能な開発目標(SDGs)」も担う。

■たっぷり“ゴロゴロ”

 松井社長は、イモムシを「シアワーム」と命名。現地に近い食べ方を意識し、東大阪大短大の実践食物学科長で管理栄養士の松井欣也教授の監修の下、味付けはトマトベース。ドライマンゴーでさわやかな甘みも加えた。

 皮が分厚いシアワームは長時間煮ても形崩れせず、1食に粉末を含めて1割を占める。まさに「ゴロゴロ」。食感は分厚いビーフジャーキーをかんでいるようで、味は漢方のような印象だ。松井社長いわく「シアの葉の風味」だという。

■高いポテンシャル

 松井社長は体調を崩したことをきっかけに、糖質制限や古代食を経て昆虫食にたどり着いた。2017年に創業し、昆虫食の啓発活動にも取り組む。

 昆虫食が注目される背景には、人口増加による食糧不足の危機感があるが、松井社長を引きつけるのは、昆虫の食材としてのポテンシャルの高さだ。

 おおむね昆虫は6割がタンパク質で、カルシウム、亜鉛などの各種ミネラルが豊富。シアワームでは、タンパク質は牛肉の3〜4倍、食物繊維はレタスの約5倍。脂質は魚に近く、DHAやEPA、オメガ3などを含む。

■食が、より楽しく

 現代では「ゲテモノ」や「罰ゲーム」扱いの昆虫食だが、古代から人間が昆虫を食べていたことは旧約聖書にも記載がある。歴史を振り返れば、仏教が伝来して以降、日本では肉食はゲテモノ扱いされ、再び肉食が定着したのは、明治になり西洋の食文化が入ってきてからだ。長野県をはじめ、山あいの地域では昆虫食は伝統食でもある。

 「牛肉や豚肉に合った料理があるように、昆虫ならではメニューがある。食の選択肢に昆虫を加えることで食生活がより楽しく、豊かにしたい」と松井社長。その目は、人類の危機ではなく未来の食卓を見つめている。

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 商品は来年春に発売予定。



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