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京阪・なにわ橋駅で「鉄道芸術祭」

2020年11月11日

アートと経済を融合

会場入り口にある展示作品「Listen to the money」。中央の皿には硬貨が入っており、打ち合う音をマイクが拾って別の場所から流す
会場では「パーティー」と題したイベントを行い、ライブで作品を制作

 京阪電鉄「なにわ橋駅」構内にある交流施設、アートエリアB1で「鉄道芸術祭vol10」が開催中だ。2010年から年に一度、開かれている同祭も今回で10回目。「GDP」をテーマにアートと経済を融合した作品やイベントに取り組んでいる。

 同施設は大阪大と京阪電鉄、NPO法人ダンスボックスの三者が協同で運営し、同祭は主催事業として定期的に開催。鉄道を列車などの直接的な部分だけでなく、文化的、社会的な役割なども含めた存在として、アートと融合した展示を行っている。

 

■ダンサーと建築家

 今回は大阪を拠点に活動するダンスなどのアーティストユニット「contact Gonzo(コンタクトゴンゾ)」と建築家グループ「dot architects(ドットアーキテクツ)」の2組が制作。二つの制作グループの頭文字に「仲間」や「催し」を意味する「party」と、鉄道と経済活動との密接なつながりから重要な指標である「GDP」とかけて、メインコンセプトに据えた。

 会場の入り口に「Listen to the money」という作品を展示。中心に各国の硬貨が入った皿が置かれ、互いに触れ合う音を周囲のマイクが拾うオブジェだ。ディレクターで大阪大の木ノ下智恵子准教授は「お金を純粋な物質として扱い、貨幣としてではなくモノとしての価値を見直す、企画の象徴的な作品」と解説する。

 そのほか、経済指標の折れ線グラフをイメージしたベルトコンベヤーを壁面に設置し、小銭を乗せて動かす「History of value」など独特な作品が並ぶ。

 

■制作現場を公開

 「パーティー」と名付け、ライブ感覚で制作現場をウェブなどで公開している。鉄道と経済、流通を関連づけて、作品に使用する木材を直接、買い付けて自らが運搬。そのまま展示した上で、期間中に別作品を作成するなど展示作品が変化する様子を“生”で見ることができる。最終的には木材で疑似貨幣を制作する予定だという。

 また、期間中には大阪大を中心に経済学や政治学の専門家が「ラボカフェ」というイベントに登壇。バタイユと駅舎建築との関係など、制作者グループと対話形式でわかりやすく解説するイベントも実施する。

 木ノ下准教授は「新型コロナウイルスの影響で各地の芸術祭が中止になっている。経済活動と芸術、文化は車輪の両輪。アートという形で両者の関係性を感じてほしい」と呼び掛ける。

 同祭は12月27日まで。開館時間は正午から午後7時。月曜日休館。



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