Voice(ボイス)

 大阪を舞台に活躍している“旬な人物”にスポットを当てた大型インタビュー企画「Voice」。それぞれが抱く思いとは。今後の大阪や次世代へ贈るメッセージを語っていただく。

関西経済同友会代表幹事 生駒 京子さん

2021年5月25日

新しい世界観つくる ダイバーシティー推進へ

プロアシスト本社が28階にある北浜ネクスビル=大阪市中央区

 関西経済同友会で19年ぶりに女性の代表幹事が誕生した。「新しい世界観をつくる」と新代表幹事の生駒京子さん(65)=プロアシスト社長=。ポストコロナの日本経済復活に向けて示したキーワードは「ダイバーシティー(多様性)」。「女性の活躍推進も当然ながら、ハンディキャップがある方、外国人、若者、高齢者が活躍できるチャンスをつくるべきだ」とまなじりを決す。

■素直な性格

 女性の代表幹事は2002年就任の寺田千代乃さん=アートコーポレーション社長(当時)=以来、2人目。光栄に思う。産業界の男性を見ていると、威厳を感じる。私の場合は、和やかな雰囲気や温かさを醸し出せるかもしれない。「関西は一つ」という掛け声をよく耳にするけれど、現状はそうなっていない。対話を進めるのが私の役割だと認識している。

 私の性格は素直。印象的な思い出がある。私は大阪市旭区の旭陽中学校に通っていた。2年生の頃、担任の先生に、職員室から用紙を持って来るように頼まれ、1枚だけ持って行った。ところが、先生は100枚の用紙の束を指していたらしく、「広い世界観を持ちなさい」と注意された。その後、生徒会の副会長に立候補するよう薦められた。素直に立候補し、演説のため壇上に立ったら、普段の目線と違う世界が見えた。

 もともと、私は3歳の頃からピアノを習い、大ホールで演奏する経験を重ねていたので、度胸があった。生徒会の選挙演説は好評で、副会長にダントツで当選した。会長に選ばれた男子生徒はすてきな性格で、私といいコンビだった。

■100人の味方

 もうひとつ、私は、敵をつくらない技を持っている。仮に敵対心を抱いた人が相手でも必ず味方にする。「男は敷居をまたげば7人の敵あり」ということわざがあるけれど、私は「女には100人の味方がいる」と考えている。

 先ほど、ピアノを習っていた話をしたけれど、実は、小学生の頃は英会話、絵画、フィギュアスケート、書道、スイミングの各教室にも通っていた。両親がともに教員で忙しかったため、私が独りで留守番しなくて済むようにという考えが背景にあった。

 だから、私は中学生になっても物おじすることはなく、ハキハキしていた。男子生徒にとっても話しやすい存在だったのでは。女子だけでなく、男子の友達もいっぱいいて、正直、モテたと思う(笑)。

■大家族主義

 関西経済同友会の2021年度通常総会(5月11日開催)で代表幹事に就任した。(2人体制の)代表幹事として2年目の古市健さん=日本生命保険副会長=に学んでいきたい。21年度は、新型コロナウイルス禍の危機を乗り越えて「フェニックス」のように関西、日本の新たな再生、飛躍を目指す事業計画を打ち出した。フェニックスには、経済成長と社会課題解決を「両翼」とすること、変革を加速させる「追い風」とすること、鳥瞰(ちょうかん)する「眼」を持つことの三つの視点がある。

 そして、古市さんの肝いりで「女性活躍委員会」も21年度に立ち上がる。私もしっかり勉強した上で、22年度に向けてダイバーシティーの世界観を伝えたい。女性の活躍推進も当然ながら、ハンディキャップがある方、外国人、若者、高齢者が活躍できるチャンスをつくるべきだ。

 私が経営するプロアシスト(大阪市中央区)では1994年の創業時から、会社を大きな家族と考える「大家族主義」を掲げている。女性、シニア、外国人を積極的に活用することによって、社員が多様性を尊重し、生き生きと活躍していると思う。

■データ利活用を

 私はこれまでに関西経済同友会のデータ利活用委員会の委員長代行を務め、データ利活用を通じた新ビジネス創出、収益機会の拡大を提言してきた。

 また、私は大阪大の数理・データ科学教育研究センター招聘(しょうへい)教授も担い、学生が企業にインターンシップを実施する機会をつくった。2018年度当初は「データサイエンス」「データサイエンス人材」の言葉があまりメジャーではなく、受け入れ企業は少なかったけれど、少しずつ必要性を理解してくれる企業が増えてきた。学生のインターンシップを通じ、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みが飛躍し、企業として進化、発展につながることを期待したい。

 コロナ禍を受け、ビジネスにオンラインが浸透してきたとはいえ、デジタル化を進めなければ、バランスを欠く。プロアシストで開発した介護施設向けの「ロッキングチェア」は欧州で認められたけれど、米国での販売は途上にある。データ分析を進めれば、ビジネスモデルになると確信している。

 いこま・きょうこ 1956年、京都市生まれ。大阪電気通信大工学部卒。ソフトウエア会社勤務、専業主婦を経て94年にプロアシストを設立。大阪商工会議所第1号議員、大阪産業局理事、大阪大招聘教授。好きな歌は「いい日旅立ち」(山口百恵)、「M」(プリンセスプリンセス)。心に残る映画は「いまを生きる」(ロビン・ウィリアムズ主演)「トップガン」(トム・クルーズ主演)。

 【株式会社プロアシスト】
 1994年設立。システム開発、WEB開発、人工知能(AI)開発、データ解析サービス、介護・医療機器製造販売。2013年に社長の生駒京子氏が内閣府の「女性のチャレンジ賞特別部門賞」受賞。15年に経済産業省の「ダイバーシティー経営企業100選」受賞。従業員217人(21年4月1日現在)。本社は大阪市中央区北浜東4番33号の北浜ネクスビル28階。


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