亀井澄夫の妖精・妖怪世界の旅

ブラウニー、ドビー、プーカ(スコットランド、アイルランド、他)

2020年2月11日

贈り物や感謝の言葉が縁の切れ目

「守護妖精トリオ。ブラウニー、ドビー、プーカ」(イラスト(C)合間太郎)

 1900年2月8日、イーストマン・コダック社はロールフィルムの箱型カメラ「ブローニー」を発売。「カメラは技術のある人でないと撮影できない」という常識を破って、子どもにも使ってもらいたいと、妖精の「ブローニー(ブラウニー)」から名前を付けた。年配の方ならブローニーというカメラやフィルムのことは知っているだろう。

 ブラウニーとは家を守る守護妖精で、散らかっている物を片付けたり、掃除したり、逆にきちんとしているものをちらかしたり、気まぐれな面がある。「人から報酬をもらわない」ことが人間への奉仕の条件で、うっかり着物などをやると出て行ったきり、二度と帰ってこない。

 この習性をうまく利用したのが、ハリー・ポッターの第2話「秘密の部屋」で、そこに出てくるドビーが守護妖精なのだ。意地悪な魔法使いマルフォイ家に仕えているが、ハリー・ポッターがこっそり日記に靴下をはさんでマルフォイに渡し、彼がドビーに日記を渡す。するとその中の靴下をドビーが見つけて、マルフォイからもらったということで、ドビーは自由の身になる。

 これはイギリスの子どもなら納得するかもしれないが、いくら説明があっても日本の子どもにはわかりにくかったかもしれない。また、ブラウニーやドビーにあだ名をつけると、たちまちいなくなってしまい、聖水を使っておはらいをすると悲鳴を上げて去って行く。他に、プーカも守護妖精で「皿洗いとか本当によくやってくれたね」と礼を言うといなくなってしまう。プーカは「礼に値するだけのことをした」と言われるまで働くのだ。

 西洋の妖精や悪魔はこのように、人間との契約面はきっちりしている。西洋の社会自体が契約社会だからかな。扱い方は難しいが家の中で役立つ守護妖精。座敷わらしと違って、お礼を言ったりプレゼントをするといなくなるのでは、日本人には向かないかも。(日本妖怪研究所所長)



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