岡力の「のぞき見雑記帳」

イラストレーター千秋育子さんが旬食材を描く

2020年3月30日

見ても食べても楽しめる 美食の旅をおもてなし

イラストの描かれたカードを手にする千秋さん

 「常に目新しい事へ挑戦したい。作品は下書きなしのフリーハンドで勢いよく描くものが多いです」。そう語るのは関西を拠点に活躍するイラストレーターの千秋育子(せんしゅうやすこ)さん。

 大阪府泉大津市出身、後の仕事になるとは思いもよらず自由に絵や習字を楽しんだ幼少期。その後、本格的に書道を習い中学生で七段にまで達した。20歳の時、人から「イラストレーターに向いているのでは?」と言われ雑誌社へ作品を持ち込んだところ即、採用となりプロとしてデビューした。

 活動領域は自身の作品にとどまらず広告、商品パッケージからベンダー、建築物まで多岐にわたる。また2008年には独自視点で切り取りつづった「関西人の取扱説明書」(辰巳出版)を発売。エッセイストとしてもさまざまな書籍を出版し人気を博している。

 今年は「セントレジスホテル大阪」(大阪市中央区)にあるイタリア料理店「ラ ベデュータ」とコラボレーションした企画を展開。各月ごとに決められた旬の食材をテーマにした特製イラストカードは、店舗ツールとして使用するほか来場者にも贈呈している。和洋といったイメージに捉われず慎重に構想を練り上げたという作品の数々。1月のモチーフとなった「ズワイ蟹(ガニ)」ではパリで見たムーランルージュのショーをイメージ。蟹(カニ)とダンサーが一体となり華麗に供宴している。

 この先も個性豊かな食材が続々と登場する。7月の「鰻(ウナギ)」や12月の「白トリュフ」といった一風変わった食材がどのような形で描かれていくのか楽しみだ。「今後は、駅、公園、船とかともコラボしてみたいですね。ざっくり過ぎで申し訳ございません〜」と気さくに笑う千秋さん。これからもさまざまなモノに寄り添い、時にユーモラスに、時に艶やかに相手を引き立てながら自身の息を吹き込んでいく。(コラムニスト)



サイト内検索