岡力の「のぞき見雑記帳」

和食で夏バテ防止!

2020年7月20日

「日本料理 みやけ」三宅裕司さん

「和食の事なら何でも聞いてくださいよ」

 「こだわりは、ずぼらをしないことです」。そう語るのは、「日本料理 みやけ」を営む三宅裕司さん。大阪市住吉区帝塚山出身、高校時代から学業の傍ら北区真砂町にあった叔父が経営する和食店で基礎を学んだ。その後、本格的に料理人を志し、谷崎潤一郎の名作「細雪」にも登場した甲陽園の老舗料亭「播半」で腕を磨いた。

 平成元年に独立し奥さまの出身地である吹田市で開業。「この辺りで和食文化を定着させるのは大変でした。なんせ梅田まで電車で10分ですから、外食と言えばキタへ行ってしまいます(笑)」と当時を振り返る。

 厨房(ちゅうぼう)に集まる食材の数々。仕入れにこだわり魚介類は明石海峡で水揚げされた「まえもん」を使用。規模を大きくすると原価や効率が求められるとあって、時代と逆行する形態にこだわる。今では本格的な懐石が吹田で味わえると評判を呼び、食通が足しげく通うようになった。また、四季折々の旬を取り入れたお昼の献立も充実しており、幅広い層に親しまれている。

 創業時からの人気メニュー「豚の角煮」は、若年層を中心にリピーターが続出。インターネット上では「ご飯泥棒」と称され話題になっている。ビタミンを豊富に含んだ鹿児島産の豚バラ肉を圧力釜へ投入する。カツオとコンブでとっただし、たまりしょうゆ、ザラメ糖をベースに黒くなるまで田舎風に炊き上げるのがコツ。器に盛り付け最後にサンショを散らして完成だ。調理に3日間も費やすこだわりの逸品。うわさ通りお茶わんを片手に体勢を変えることなく一気に完食した。

 春先に襲った新型コロナウイルスの影響で店内営業を自粛し客足が遠のいた。その間、テークアウトに力を注ぎ常連客とのコミュニティーを紡いだ。扉を開けた玄関先では、心地よい風が吹き穏やかな日常が戻ろうとしている。豚の角煮でスタミナをつけ、この夏を乗り切りたい。

 (コラムニスト)

 ■日本料理 みやけ
 大阪府吹田市寿町1丁目8番17号 サンヴェールユカミ1階、電話06(6319)2200、水曜定休。


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