岡力の「のぞき見雑記帳」

近大マグロの青春ドラマ「TUNAガール」 

2020年9月15日

研究に情熱注ぐ若者リアルに

「ステイホームしながら大学の雰囲気が分かる」(C)吉本興業/NTTぷらら

 新型コロナウイルス感染拡大により、教育機関が夏から秋にかけて力を入れてきたオープンキャンパスが軒並み中止となっている。キャンパスを訪れ自身の目で進路先を確かめたい受験生にとっては残念な状況である。しかし各大学ではオンラインや動画を介して説明会を開催するなど、創意工夫の手法で魅力を発信している。

 そんな中、昨年公開のドラマ「TUNAガール」が注目を集めている。本作は「NTTぷらら」と「吉本興業」が「近畿大学」全面協力の下、共同で制作し昨年3月より配信サービスをスタート。近畿大学が世界に誇る水産研究所を舞台にクロマグロの完全養殖へ情熱を注ぐ若者たちの姿をリアルに映し出している。

 ヒロインを演じるのは大阪府堺市出身の女優、小芝風花さん。NHKドラマ「トクサツガガガ」や映画「魔女の宅急便」での好演が記憶に新しい。さまざまな困難に直面しても「TUNA」(マグロ)のように明るく元気に突き進む姿が印象的である。監督・脚本は、映画「幸福(しあわせ)のスイッチ」(2006年全国公開、配給・東京テアトル)でメガホンを取った安田真奈さん。和歌山県・串本町の素晴らしい景観と海辺でおこる青春ドラマをユーモラスに描いている。

 劇中では若年層を中心に深刻化するSNSの誹謗(ひぼう)中傷問題にも切り込んでいる。星田英利さんをはじめ個性的なキャストが脇を固める。また卒業生の升毅さん(友情出演)、つんく♂さん(主題歌プロデュース)も協力し母校に花を添えた。

 同時に制作されたドキュメンタリー「海を耕す者たち〜近大マグロの歴史と未来〜」では初代総長・世耕弘一さんが提唱した「海を耕せ」のもと1948年に創設された水産研究所の歴史を振り返っている。動画は「ひかりTV」「大阪チャンネル」に加え、昨年9月からはネットフリックス(英語字幕付)で世界配信もスタートしている。

 これまで大学が築いてきた歴史と総力を結集した映像コンテンツと言える。

(コラムニスト)


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