岡力の「のぞき見雑記帳」

空前の将棋ブーム!!

2020年9月27日

勝負メシ「珍豚美人」の謎に迫る

和と洋の融合「珍豚美人」

 「定跡、棋譜と言われても私は将棋の事をほとんど知らない」。カウンター越しでそう笑うのは関西将棋会館1階でレストラン「イレブン」を営む川口弘文さん(69)。1981年の開館時からこの場所で忙しい毎日を過ごしている。気になる店名は将棋に全く関係なく、単にゴロが良いから名付けた。午前11時になると階上にいる棋士から予約電話が鳴り響く。同時にお店は一般道に面しており、ランチ時には近隣に勤めるサラリーマンでにぎわう。

 現在、空前の将棋ブームが到来している。あの藤井聡太二冠も対局中の“勝負メシ”として同店の出前を注文している。お気に入りは苦手なキノコを抜いた特製「バターライス」、そして名物料理の「珍豚美人」だ。

 「珍豚美人」と書いて「ちんとんしゃん」と読む摩訶(まか)不思議なメニュー。仕入れにこだわった山形県産の厚切り豚ロース肉を水だけで溶いたメリケン粉の衣で手際よく天ぷらにする。「この料理は、ソースを味わっていただくために考案したので好き嫌いがはっきりする」と言いながらたっぷりかける自家製の「セサミソース」。ゴマをふんだんに使用し、ワイン、しょうゆ、みりんをベースに香辛料で味を調えてある。トンカツにはないジューシーでさっぱりした味わい、付け合わせのマッシュポテト&スパゲティも格別のおいしさだ。ご飯との相性も良く女性にもおすすめの逸品である。

 「将棋記者の松本博文さんが火付け役となり勝負メシという言葉がブームになった。将棋ファンだけでなく食文化として発展し、全国からお客さまが来るようになり本当にありがたいです」と語る川口さん。長きにわたり将棋界に寄り添いながら人気の流れを見てきたが、ここまで注目される事はなかったと言う。今年は世の中的にいろいろあったが、験担ぎに勝負メシを食べて逆境を乗り越えていきたい。

(コラムニスト)
 ■レストラン「イレブン」
 大阪市福島区福島6の3の14、営業時間は午前11時半〜午後2時、同5時から同10時、木曜定休。


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