岡力の「のぞき見雑記帳」

秘伝の味を守り 独自のアイデアで勝負!

2020年10月26日

総本家もり山 吹田店 片平淳一さん

白球とからあげを手にする片平さん

 「野球を介して忍耐とあいさつを学びました」。ジュワジュワと音を立てる厨房(ちゅうぼう)でそう語るのは、「中津からあげ発祥の店 総本家もり山 吹田店」を経営する片平淳一さんだ。

 1980年生まれ、兵庫県たつの市出身。中学校から野球を始め瀬戸内少年野球大会では俊足巧打の内野手として出場。全国から声がかかる存在となり悩んだ結果、鳥取城北高校へ進学した。同校は鳥取県のセンバツ代表として今夏の甲子園高校野球交流試合に出場した強豪。相撲部も盛んで7月場所で優勝した照ノ富士も卒業生にいる。寮生活では野球漬けの毎日で、1学年先輩には能見篤史選手(阪神タイガース)がおり、共にグラウンドで汗を流した。

 卒業後は大手自動車メーカーに就職。その後はアパレル、介護とさまざまな職業に就いたが、奥さまの地元に伝わるソウルフードと出会い独立を決心する。

 唐揚げ専門店が60店舗以上ある大分県中津市。この地で昭和45年に創業し水炊き、とり天と並ぶ九州三大鶏料理「中津からあげ」を考案したのが「総本家もり山」だ。2017年に関西初のフランチャイズ店として吹田市で開業。認知度を高めるため、SNSでの投稿記事に力を入れ多くのファンを獲得した。

 九州産自家製ニンニク配合の秘伝ダレに漬け込んだ鶏肉を専用フライヤーで揚げる。薄めにまぶした片栗粉の衣がうま味を封じ込め冷めてもおいしいのが特徴だ。お店では中高年の総菜需要が高い事から、昨年より敬老の日にキャンペーンを企画している。今年は65歳以上の高齢者に対して「シニア割」を実施。また「免許返納割」も同時に行い話題を呼んでいる。

 安全で暮らしやすい街を願い「関西で一番のお店になりたい」と目標を掲げる片平さん。今日も熱気あふれる店内には、そっと白球が飾られている。(コラムニスト)

 『中津からあげ発祥の店 総本家もり山 吹田店』
 大阪府吹田市原町4の6の17。午前11〜午後8時、不定休。電話06(6310)6272


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