岡力の「のぞき見雑記帳」

ミナミの隠れ家『季節の酒菜 あじ彩』

2021年3月29日

変わらぬ味とサービスを心がける

店主の辻誠さんと奥さまの巳代子さん

 「我慢の冬」がようやく明け…いつもの活気が戻りつつある大阪・ミナミの街。

 創業28年、四ツ橋の一角でのれんをかける「季節の酒菜 あじ彩」は多くのサラリーマンに愛される和食居酒屋だ。映画のワンシーンに出てきそうな趣のある店内。カウンター越しの厨房(ちゅうぼう)で手際よく調理をするのは店主の辻誠さん。北新地の割烹(かっぽう)などで和食を中心に修業を積み独立。「落ち着いた場所で安心して飲んでいただきたい」という思いからオフィス街に店を構えた。

 毎朝、“なにわの台所”と称される近隣の「大阪木津卸売市場」に足を運び、自身の目で新鮮な魚介や大阪産の野菜を仕入れる。「薄味で大阪人が好む甘みを生かした味付けが特徴」というお店の名物メニューは「和風ゆばぎょうざ」。あいびきミンチを使用、あっさりしたうま味と食感が楽しめる逸品である。近年、多くの若者が行き交うようになり考案した「れんこんまんじゅう」は、わさび餡(あん)がトロリとかかり女性にも大人気。

 そしてコロナ禍に多くの常連客が求めたという「若鶏のあまから揚」は地域を代表するソウルフードと言える。「ランチの日替わりメニューとして提供していましたが電話で問い合わせがかかってきます」と語るのは奥さまの巳代子さん。ビールを片手に食したが箸が止まらないヤミツキのおいしさである。「昨年はコロナの影響で大変でしたが…これからも現状維持で頑張っていきます」と、変わらぬスタイルで料理を提供しお客さまに寄り添っている。

 ちなみに店名は、お店の創業時が5月だったことに由来している。アジサイの花が咲く頃には、人と人の距離が少し縮まり、穏やかな雰囲気の中で会食できることを願う。(コラムニスト)

 ■『季節の酒菜 あじ彩』 大阪市西区南堀江1の11の1 三共四ツ橋ビル地下1階、電話06(6535)1257


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