岡力の「のぞき見雑記帳」

「銘木総研株式会社」代表取締役 前井宏之さん

2021年10月12日

伝承と文化を 世界に向けて発信

 「日本は時間をかけていろいろなものが出来上がる国です」。そう語るのは『銘木総研株式会社』代表取締役の前井宏之さん。大阪市西区九条の生まれ、幼少期は自然と触れ合いながら歴代天皇陛下の「陵」をお参りする「御陵めぐり」に励んだ。

 高校時代、好きな理系知識が生かせる仕事はないかと人生を模索。たまたま目にした書籍で特許取得に関わる「弁理士」という職業を知り心が躍った。最先端技術を理解しながら法律の知識と語学力が求められるスーパーマン。そんな仕事に憧れ大阪大学工学部に進学し「磁性材料」の研究に没頭した。

 同大大学院修了後は特許法律事務所、経営コンサル会社で修業を積んだ。その後、独立を決意し需要の高い大阪で『北浜国際特許事務所』、『(一社)知財経営ネットワーク』(2010)、『北浜グローバル経営』(2012)を次々と起業。現在、大学や民間企業を顧客にさまざまな角度からフォローをしている。

 昨年、源頼朝の植えた杉が台風で倒木するも仏像やノベルティで有効活用されている事実を知る。「これは世界に向けて発信できるクールジャパンコンテンツだと思いました」。すぐさま法人化し銘木の保全事業や各地の伝承ある名木を「シンボルツリー」と称しブランディング化。集めたデータベースは定期刊行物、動画サイト、ラジオ番組で発信・紹介している。そうすることで、今後は地域活性や商品開発が展開していけると言う。また、来年は「頼朝プロジェクト」と称し仏師・江里康慧氏に銘木を使用した等身大像の制作を依頼している。

 「この日本文化と言える事業は一過性でなく永遠に続けていける仕事です。皆さんの地元にある心の名木を教えてほしいですね」と語る前井さん。各地に点在する名もなき木にも土地を俯瞰(ふかん)的に見守ってきた知識と経験がある。これからは、その祖父母のような存在を意識し、慈しみながら寄り添っていきたい。

 ■公式ホームページ
https://meiboku-souken.com/


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