岡力の「のぞき見雑記帳」

株式会社Pasah代表取締役 籔井智一さん

2022年7月11日

堺名物『はにわぷりん』で全国を笑顔にする

食の経営革新で日本を元気にする籔井智一さん

 「いわゆる鍵っ子です。物心ついた頃から夕飯の支度は自分でやっていました」。Pasah(堺市中区土師町2の30の26)の籔井智一さんは愛嬌(あいきょう)ある埴輪(はにわ)を手に半生を語り始めた。

 大阪府和泉市出身、公務員の家庭で育ち大学へ進学するも1カ月で退学。理由を尋ねると「経済学部に進学しましたが…アルバイトが楽しくて心奪われました」と笑った。

 居酒屋黄金時代、厨房(ちゅうぼう)が学びの場となった。その後、本格的に料理の道を志し老舗店舗で板前として修業を積んだ。「自然なままに素材を生かす」和食が世界で注目を集めていたことを機に単身で渡米。領事館シェフとしてVIPをもてなし、帰国後はJRの高級寝台列車『トワイライトエクスプレス』の副料理長に就いた。

 2014年に堺で居酒屋『海ごこち』を開業。他2店舗も手掛け人気店となった。その頃、ひそかなブームとなっていたのがデザートに提供していた「壺ぷりん」。卵本来の風味を生かし濃厚で滑らかな食感は老若男女に親しまれた。「これはいける!」と事業化に乗り出し容器を地元ゆかりの容器に変更した。堺名物『はにわぷりん』が眠りから目覚めた瞬間だった。

 同時期に百舌鳥古墳群が世界遺産に登録され瞬く間に全国から注目を集めた。容器のバリエーションは16色。「未完成プリン」と称し食べた後は、お絵かきや植栽などさまざまな楽しみ方がある。冷凍技術で賞味期限を60日間にまで延ばし累計33万個を販売。21年には念願だった工場も完成した。

 「コロナ禍で本業だった居酒屋の売り上げは減少しましたが…はにわぷりんが救ってくれました。これまでの飲食業に凝り固まらず生産体制、販売網を確立しました。今後はOEM事業にも着手しネットワークを広げていきたいです」

 ちなみに子どもの頃の得意料理は「ピーマンの肉詰め」。食べた母親の笑顔が忘れられないと振り返った。これからも食を介して大阪・堺から人々を幸せにしていく。

■公式ホームページ https://haniwa−purin.com/



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