2021年11月28日

色調の変遷見どころ 鳥取で谷口ジロー原画展

 「孤独のグルメ」「遥(はる)かな町へ」などで知られる鳥取市出身の漫画家・谷口ジローさん(1947~2017年)の原画展(鳥取県など主催)が27日、同市本町1丁目のギャラリー鳥たちのいえで始まった。色彩をテーマに初期から晩年まで37点のカラー原画が並び、色で描くことを追求した歩みを紹介している。12月26日まで(水曜定休)。

 漫画は通常、雑誌への掲載が前提のため巻頭など一部を除きモノクロで描かれるが、谷口さんは若いころから色彩で描くことに関心を寄せていた。デビュー翌年発行の私家版絵本「ぐじゃ ままにたら」では、少女の愛らしい姿を透明水彩で伸びやかに描いている。

 色調の変遷も見どころだ。1970~80年代は濃厚な色彩で陰影が強く、海外の版元の依頼で全ページカラー作品を手掛けるようになった2000年代以降は淡い色彩に。ベネチアの街並みを捉えた「VENICE」は水面の揺らぎや舟に乗る人の表情が細部まで描き込まれている。

 谷口さんの著作権を管理する「ふらり」(東京都)の米沢伸弥さん(66)は「印刷物では分からない微細な表現や色の変化を楽しんでほしい」と話した。(野木絢)