2021年12月22日

とっとり鳥瞰図 太陽に輝く岩窟寺院 不動院岩屋堂

 雪景色と凜(りん)とした冷気が似合う国の重要文化財である。快晴の21日午前、天然の岩窟にやっと日が差すと、全国でも稀有(けう)な舞台造りの建造物が光り輝く。三徳山三仏寺(鳥取県三朝町)の国宝投入堂などとともに日本三大投入堂の一つ。鳥の目は、投入堂に劣らぬ中世寺院建築の傑作を見下ろす。

 同県若桜町中心部から国道を南へ約5キロ。八東川の支流、吉川川沿いに高さ約13メートルの寺院が岩窟にはめ込まれている。9世紀初めの創建、空海作の本尊不動明王、源頼朝の再建など数多くの言い伝えに彩られる。昭和の解体修理で南北朝時代の建立と推定された。

 鳥の目は高さ40メートルから杉木立を避けながら岩屋堂に接近する。朱色の屋根は前面が入り母屋造りでヒノキの薄材をふく。本尊が鎮座するお堂内部は薄暗い。700年の時空を超え、中世の精神を伝える不動の姿に思わず手を合わせた。(随時掲載)

 (写真・富村智子、文・森原昌人、撮影協力=TNE)

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