2022年7月22日

誰でも楽しめるビーチに 水陸両用車いす導入

 米子市の皆生温泉海遊ビーチを、障害者や高齢者も安全に楽しめる「ユニバーサルビーチ」にする取り組みが進んでいる。市観光協会とNPO法人皆生ライフセービングクラブは今夏、砂浜を走行しやすく海にも入れる水陸両用アウトドア用車いすを実証的に導入。多くの人に選ばれるビーチの実現を目指している。

 「皆生を全国から選ばれる海水浴場にするためには、いろいろな人の受け皿となる安心安全なビーチに進化させる必要がある」。同協会の石倉准次郎事務局長は強調する。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響が続く皆生温泉エリアでは、2019年に50日間で約5万5千人が訪れたビーチも来場者数が2万人前後に減少。ユニバーサルビーチ化は再活性化に向けた新たな魅力づくりの一手でもある。

 車いすは全長約1・8メートル、重量約14キロの水に浮く仕様で、利用者がビーチで乗り換えればそのまま海に入ることができる。前後に付いた3個のタイヤで自走でき、幅約20センチの太いタイヤに付け替えると砂浜の走行も容易になる。同協会などは2台を無料で貸し出すとともに砂浜にポリエステル製のアクセスマットを設置し、遊泳区域や海浜施設に移動しやすくした。

 当事者らからは歓迎の声が上がる。「障害があるから海には行けないと思っていた。いろんな人が気軽に行けるビーチになれば」と願うのは脳性まひで車いすを使用する上野柊斗さん(26)。パラサーファーの武沢浩次さん(62)は「きれいな皆生の海をもう少しバリアフリーにできないかと思っていた。車いすで海遊びを体験してもらい、パラスポーツの拡大にもつなげたい」と期待する。

 車いすは障害者だけでなく足の不自由な高齢者なども利用でき、アクセスマットは子どもを乗せたベビーカーの移動も助ける。「海水浴は本来、誰でも楽しめるもの。一人でも多くの方に利用してほしい」と同法人の野嶋功理事長。目指すのは多くの人が楽しめるビーチ。実現に向け、関係者らは模索を続けている。

 ◇車いすは8月28日までの土日に海浜事務所で貸し出す。予約制で利用時は介助者が必要。