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特集一覧

2021

vol149暮らしで未来を変える〜エシカル消費のススメ〜 2021/10/26
vol148環境に優しい車の普及へ 2021/09/26
vol147環境配慮型ビジネスへ 2021/08/26
vol146人と環境に優しい農業 2021/06/30
vol145環境に優しい再エネの活用 2021/05/28
vol144循環型社会(4R)の実現へ 2021/04/30
vol143食品ロスをなくそう! 2021/02/25
vol142SDGsの推進 2021/01/31

2020

vol141多様な生態系を守る 2020/12/28
vol140快適な暮らしを実現 2020/10/28
vol139豊かな世界へSDGs実践 2020/09/28
vol138目指すべき未来 Society5.0の社会実現に向けて 2020/08/29
vol137環境守る森林、林業 2020/06/29
vol136自治体が挑む環境問題 2020/05/29
vol135持続可能な社会へ力添え 2020/04/30
vol134電動車で代替エネルギー活用 2020/02/27
vol133エコに通じる食、健康 2020/01/31

2019

vol132ごみの減量化に向けて 2019/12/26
vol131景観守り、地域活性化 2019/10/29
vol130環境ビジネス最前線 先駆的な再エネ活用 2019/09/27
vol129新たなステージ迎えた環境とビジネス 2019/08/30
vol128SDGs(持続可能な開発目標)を知り実践しよう 2019/06/28
vol127できることから温暖化防止 2019/05/27
vol126環境保全型農業の実践 開かれた農業セクターの可能性 2019/04/25
vol125自治体が挑むエネルギー政策 バイオマス発電の取り組み 2019/02/28
vol124山を守る 温暖化防ぐ取り組み 2019/01/30

2018

vol123対策広め、温暖化防止 地域で活躍するサポート活動 2018/12/27
vol122下水から発電 秋里下水処理場バイオマス発電所 稼動から1年 2018/10/30
vol121放置竹林の荒廃・拡大防げ 2018/09/26
vol120エコ活動28年 地域に共感の輪 2018/08/30
vol119雑草が生えない有機米栽培 2018/06/28
vol118循環型社会を目指して 2018/05/29
vol117人と地球に優しいエコな山村暮らし 2018/04/26
vol116住宅用太陽光発電「2019年問題」 買い取り満了 どう扱う!? 2018/02/27
vol115市民、企業、行政代表鼎談 2018/01/29
 
vol.146 人と環境に優しい農業


2021.06.30
 
 日本の食文化を支える農業は、化学肥料や農薬の施用過多、加温施設での化石燃料の多用など生産効率を追求するあまり、時に土地を汚染し、生態系を壊してしまう可能性もある。「食のみやこ鳥取県」の農業が環境破壊や地球温暖化につながらないよう、環境に優しい農法が見直されている。

手間暇かけた栽培 倉吉・大原トマト 浅水代かきを推進 米子の3地区

手間暇かけ、大原トマトを育てる牧野組合長
浅水代かきを行う米子市奥谷地区のコメ生産者
 環境負荷をできる限り低減する農業に注目が集まる。鳥取県内でも、地域の特色に応じて自然を生かし、人と環境に優しい農業が進む。

■全員エコファーマー

 倉吉市大原で半世紀以上の歴史がある「大原(おはら)トマト」。大原トマト生産組合(6戸)が土作りや無加温栽培など手間暇かけた栽培を継承してきた。全生産者が県のエコファーマー認定を受け、肥料のほとんどを有機質とするほか、農薬使用を最小限に抑えるなど環境と調和のとれた栽培を行っている。

 土作りは収穫後となる夏期、土に水とビニールを張って土を高温にする太陽熱消毒や、土に米ぬかを入れ、微生物の活動を利用する土壌還元消毒など、自然を活用して土壌病害虫の発生を抑制。また、環境に配慮して暖房は使わず、ビニールを3重にする無加温栽培でゆっくりと冬を越し育てることで、酸味と甘みのバランスがとれたトマトを出荷している。

 牧野文徳組合長(69)は今シーズン、約1万本の大原トマトをハウス8棟、20アールで栽培。組合としての今年の出荷はほぼ終了しているが、今後は来シーズンに向けて土作りに取り掛かる。「長年、自然を生かしながら、消費者の皆さまにも安心していただけるトマトを栽培してきた。今後も組合員や関係機関で研究を続け、自慢の味を届けていきたい」と話す。

■中海に優しく

 県西部では中海をきれいにする取り組みの一つとして、鳥取県などが推進する「中海にやさしい農業」が2011年から米子市の石井、奥谷、新山の3地区で展開されている。

 ラムサール条約登録湿地・中海の水質浄化対策の一つ。代かきの水田に張る水量を少なくして作業する「浅水代かき」を行うことで、肥料成分を含んだ濁水が河川や湖沼へ流出するのを低減させる取り組みだ。水田の土が8割、水が2割程度見える状態で、水をあふれさせないようにゆっくりと代かきをするため、濁水の流出を防げるほか、田面の均平が取りやすい利点もある。

 県農地・水保全課によると、4、5年前から浅水代かきを導入する生産者が増えつつあり、環境に対する意識は高い。

 県の効果検証では今後、3地区全体に浅水代かきが普及すれば、同地区を流れる河川の汚濁負荷を現状の半分程度まで減らせる可能性が見えてきたという。県水環境保全課の担当者は「長期的に水質の変化とその影響に注視し、加茂川流域はもちろん、そのほかの地域にも浅水代かきの普及を進め、湖沼の水質改善を図っていきたい」と話している。

気候変動時代を生きる

大人の背中見て子どもも一員に

 「大人は変われんけえ、子どもに環境教育すりゃあええが」と、温暖化防止セミナーの参加者から言われることがあります。また、「再エネに補助金を出すよりも、小さい頃からの環境教育の方が大切。しっかり学んで大人になって、太陽光発電や薪(まき)ストーブを買うようになります」と言う行政の担当者さんもいます。

 環境教育の目的は、大人が変わることができないツケを子どもたちに払わせることではなく、持続可能な社会の担い手を育成することです。

 実際に温暖化ガス排出を今すぐゼロにしたとしても、その効果が表れ始めるのは30年後といわれています。2050年、今の小学生が40代になったときです。子どもが大人になって取り組んでも遅いのです。

 太陽光パネルがあらゆる屋根に設置されている街並み。公共交通機関を便利に使える街。限られたエネルギーを効率的に使える高断熱建築物。外が異常気象でも屋内は安全で快適な住宅や公共施設、商業施設。歩く人も多いにぎわいのある商店街。当然、建築物は地域の豊かな森林から得られる木材で、薪ストーブなどの燃料はその間伐材。農業も漁業も盛んで、身の回りのたいていのものは地域で手に入る循環する経済。そして、再エネを増やすため、目の前の大人が必死に課題に取り組む姿。

 そういう未来へ地域を変えようとする大人と一緒の暮らしを生活の中で体験できることで、大人社会への信頼感が生まれ、自分も持続可能な未来づくりの一員にと思えるはずです。

 「子どもは言ったようには育たない。やったように育つ」といわれます。環境教育の教科書は大人の背中なのです。

 (鳥取県地球温暖化防止活動推進センター・山本ルリコ)

地域を支える環境(エコ)活動

株式会社エナテクス
(倉吉市清谷町2丁目、福井利明社長)
環境教育の場を提供

太陽光発電所の説明を受けるインターンシップ生
 再生可能エネルギー(再エネ)技術の研究と環境保全活動を推進しており、今年5月に「再エネ100宣言RE(アールイー) Action(アクション)」に参加。2023年までに全拠点の使用電力を100%再エネに転換することを目指している。

 この取り組みを地域に広げるため、「省エネと創エネ」を組み合わせ、建物で消費する1次エネルギーの収支をゼロにしようと提案する「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)プランナー」の活動を始めた。

 また、環境と自然エネルギー活用の理解を深めるため、太陽光発電所の見学など、インターンシップも含め学校や国内外の研究機関に環境教育の場を積極的に提供。多角的な視点で、持続可能な開発目標(SDGs)の達成を見据えている。

株式会社光商会
(鳥取市五反田町、木村憲司社長)
地球に優しい商品販売

エコ窓の縮小サンプル
 環境に優しい商品、サービスの提供を通して、環境保全活動に力を注ぐ。優れた性能を持ち、一般家庭に取り入れやすい機器の魅力を発信し、消費者の省エネ意識向上につなげる。

 このうち、省エネ型石油給湯器「エコフィール」は、従来捨てていた排気熱を再利用する。熱効率を高めることで灯油の使用量が節約でき、二酸化炭素排出量の削減につながる。

 このほかにも、循環型エネルギーの太陽光発電システム、高断熱性で省エネ効果が高い「エコ窓」など多数の商品を扱っている。昨年からは「ENEOS(エネオス)でんき」のサービスを導入。持続可能な地域を目指して、家計と環境の負担が軽減できる商品の販売、サービスの提案に力を入れる。

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