Q.西洋薬の花粉症剤に対する漢方薬の利点は何ですか?
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A.最大の利点は、体質をみて、あった処方がなされることです。
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花粉症には体質に応じて「熱」と「寒」のタイプがあります。
■寒タイプは冷え性体質が多く、くしゃみを連発し、鼻水は透明で量が多めなのが特徴です。この場合は体内の水の循環を良くする「小青竜湯」(しょうせいりゅうとう)が代表的です。
■熱タイプは鼻がふさがり、熱感が強い鼻づまりタイプのことで、蓄膿症などの炎症もおさえる「辛夷清肺湯」(しんいせいはいとう)などがあります。漢方では「鼻」は「肺」に関連し、薬の名前にもある通り、肺の熱を冷ます(=清める)ことで、鼻を通じさせるといった具合です。
さらに漢方薬は、西洋薬に比べて次のような利点があります。
@眠くなる成分が入っていない:車の運転時や仕事中など、気にせずにいつでも使用できる
A副作用が少ない:口が渇く、胃腸や肝臓の具合が悪くなるなどの症状が出にくい
B体質改善につながる:手足の冷えが治ったなどの、他の気になる症状の緩和も期待できる
C飲み続けると薬の量が減る、もしくは必要なくなる:市販の薬は、効かないと処方される量が増える場合もあります
漢方薬でうっとうしい花粉症とオサラバして、少しでも早く、日々楽に暮らすことができるのを祈っています。
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上野医院 院長 上野 力敏さん
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