ナス、オクラ、マンゴー、白ブドウ、バナナ。インドで生活していると、「日本よりおいしいかも」と感激する野菜、果物に時折出合う。
インドは世界有数の食料生産国で、農業は国内総生産(GDP)の15%前後を占め、雇用の6割を担う重要産業となっている。1960年代に始まった「緑の革命」による生産性向上もあり、オクラ、マンゴー、バナナの生産量は世界1位、コメや小麦の生産量は世界2位だ。
そんな中、日本人居住者が多いハリヤナ州が地下水枯渇に頭を悩ませている。コメを中心とした穀物生産の過剰揚水が原因で、過去40年間で州内の地下水位は平均約6メートル低下した。国際協力機構(JICA)は2月、162億円余りの円借款貸付契約を中央政府と締結。州内農家が、水使用量が少ない野菜、果物に栽培作物を転換できるよう、支援している。
「園芸王国」の異名を持つ高知県も協力する。今後、高知大を中心に、同県が得意な農業DX(デジタルトランスフォーメーション)をハリヤナ州に伝える予定だ。取り組みが成功すれば、地下水問題の解決だけでなく、おいしい野菜、果物がもっと増えるかも。(インド)
▽スヌーカーでつかむチャイナドリーム
中...