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明治・大正の温泉街 湯村で「引き札」発見
兵庫県新温泉町湯の湯村温泉の古い商店から、明治から大正時代初期の物とみられる広告チラシ「引き札」が見つかった。損傷が激しかったものの、絵柄のはっきりした部分をつなぎ合わせて修復した。同温泉街の引き札が発見されたのは初めて。当時の温泉街の雰囲気を伝える貴重な資料として、湯村温泉博覧館「夢千代館」で14日から展示する。
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| 明治から大正初期の物とみられる引き札(右と中央)と昭和初期のチラシ=11日、新温泉町湯の湯村温泉観光協会 |
発見された引き札は2枚。湯村本町(荒湯付近)でよろず屋を営んでいた「安田商店」の屋号が記されている。大きさは縦23センチ、横35センチとB4判程度。売り子や商品など店内の様子と、宝船に乗った大黒とえびすが描かれている。和・洋菓子、干し菓子といった菓子類、瓶詰めの清酒や焼酎など酒類、陶器を取り扱っていたほか、みりんを升で量り売りしていたことが分かる。
昨年10月、荒湯近くの商店の閉店作業中に、事務所兼倉庫の板壁から発見。隙間風を防ぐように縦約1・3メートル、横約1メートルにわたって貼り付けられた1932(昭和7)年ごろの新聞の上に十数枚が重ねて貼ってあった。
穴が空いたり、千切れていたりと、形状を完全にとどめた物はなかったが、発見の連絡を受けた湯村温泉観光協会は温泉街のPRに使えると判断。比較的状態が良いものを集めて、鳥取市の専門業者に復元を依頼し、昨年末に表装が完成した。
引き札が見つかった商店の近くに住む乾武さん(91)は「(発見場所に)そば屋があったのは覚えているが、安田商店というよろず屋があった記憶はない。随分前のチラシでは」と驚いている。
引き札は、一緒に発見された1932年4月5日の日付が入った大阪の天神祭を描いたチラシと一緒に展示する。同観光協会の高橋邦夫事務局長は「温泉街で商店が活発に営業していた明治、大正時代の雰囲気を今に伝える引き札で、歴史を感じてほしい」と話している。
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