クルーズ客を皆生温泉へ バス送迎の実証事業 旅館組合や米子商議所

 長旅の疲れを温泉で癒やしませんか―。コロナ禍が明けて境港にクルーズ船の寄港が再開する中、米子商工会議所や皆生温泉旅館組合などは、境港から近い皆生温泉に乗客を誘客する実証事業を始める。今まで同温泉を訪れていない客層にアプローチし、新たな顧客の獲得につなげる。

 境港に寄港したクルーズ船の乗客は松江方面や三朝温泉などを訪れていたが、皆生温泉にはほとんど訪れていなかった。境港から近い温泉地であるにもかかわらず十分に誘客ができていないとし、同商議所や同旅館組合、境港管理組合、米子市の関係者が協議。「長旅の中でゆっくりしたい」というニーズに応えようと、約2時間半の滞在で温泉を満喫してもらうプランを考案した。

 実証事業では25人乗りバスを2台用意し、境夢みなとターミナルと米子市観光センターを4往復する。皆生温泉では協力施設が大浴場などを開放し、温泉に漬かって疲れを取ってもらう。ほかに、温泉街でのまち歩きや食事、買い物なども楽しんでもらう。

 実証事業は25日と7月7日、境港に初寄港する「MSCベリッシマ」(17万1598トン、4418人乗り)を対象に実施。境港に寄港するクルーズ船の中では過去最大級で、特に予定を決めていない乗客を誘客する。今回の実証事業をきっかけに、将来的には県内を周遊するオプションツアーとして組み込んでもらいたい考えだ。

 同商議所の森田豊充専務は「皆生温泉の良さを知ってもらい満足してもらうことができれば、将来的なオプションツアーへの追い風になる」と期待。同旅館組合の細羽正理事は「この機会に皆生温泉の良さをアピールし、リピーターになってもらえれば。インバウンド(訪日客)も取り込みたい」と意気込んでいる。

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