潮騒 2023.7.4

 7月に入り、大阪府内各地の境内と周辺で夏祭りのちょうちんやのぼり旗がそよぐ光景を目にする。どこからとこもなく軽快なおはやしも響く中、暑さとともに本格的な祭りシーズンが到来した◆今年の祭りの多くはコロナ禍を経て、ここ数年間の大幅な規模縮小からようやく元の様式に戻りつつある。長年にわたり伝統を守ってきた関係者の喜びもひとしおだろうと思われる◆数多い大阪の夏祭りの幕開けを華やかに飾ったのは“愛染(あいぜん)さん”こと愛染堂勝鬘(しょうまん)院の「愛染祭」(6月30~7月2日)。今年は祭りの3日間が週末と重なったほか、露店の一部復活などもあり多くの参詣者でにぎわった◆生国魂神社の「生国魂祭」(11、12日)は、元の鎮座地である大阪城を目指す陸渡御(とぎょ)(11日)が復活。難波八阪神社の夏祭り(13、14日)では、約500人を乗せた11隻の渡御船団が道頓堀川に繰り出す船渡御(13日)を行う。日本三大祭りの一つ、大阪天満宮の「天神祭」(24、25日)も完全復活という◆住吉大社「住吉祭」(30日~8月1日)の最終日に堺・宿院頓宮(とんぐう)へ向かうお渡りがあり、壮大な夏祭りを締めくくる。コロナの第9波が懸念される現状にあって、都市部の夏祭りの本来の目的である疫病退散も祈願したい。(佐)

同じカテゴリーの記事