一条寛太5周年記念曲「男の漁場」好評 鳥羽一郎お墨付き “海の歌”受け継ぐ

 2018年に“平成生まれの昭和ボイス”として武骨なイメージでデビューした“演歌第7世代”の1人、一条貫太(26)が5周年記念曲として出した「男の漁場」が好評だ。千葉市出身らしく房総の海の男たちを描いた元気いっぱいの曲に注目が集まる。

 中学時代は野球部、高校では吹奏楽部でテナーサックスを吹く傍ら各地のカラオケ大会で上位入賞の常連となり注目された。現役大学生歌手としてプロ転向。驚くのはデビューから5年間で今回がCD10作目。平均的歌手のほぼ倍のペースで、ヒットチャートの「初登場1位」の勲章も数多い。日焼けした健康的な顔色と愛らしいつぶらな瞳。首都圏の生まれ育ちだから実は都会っ子なのだが、普段着っぽいジーンズと革ジャンの衣装が多いことも相まって硬派な地方青年のイメージ。声だけでなく、昭和のたたずまいがファンの心を揺さぶる。

 7月の「KOBE流行歌ライブ」では、大学の仲間との卒業旅行で食べた神戸ビーフを話題に。「うまかったけど、結構高かった」というオチなのだが、言葉の言い回しが巧みで地元客を笑わせ、親しみと好感度がアップした。

 この5年間の真ん中をスッポリ覆っていたコロナ禍がようやく外れた。この日もステージにはファンからの差し入れが届けられ、終了後はロビーでCD即売と購入者にサイン色紙を手渡しし記念写真に笑顔で応じた。「他の歌手の皆さんとご一緒できるこうした歌謡イベントはとても大切」と前置きし、「自分のイチオシの歌手を見に来て、たまたま僕の歌を見聞きして下さり“2番目に応援してるからね”とおっしゃって頂いた方がおられた。ありがたいですね、実演で評価して下さるのは歌手冥利(みょうり)に尽きます」と話す。

 先日、舞台で一緒になった海の男を歌わせれば第一人者の鳥羽一郎(71)の前で、彼の持ち歌でカバーしている曲「港駅」を歌った。鳥羽からガッチリと握手され、「これからも海の歌を受け継いでほしい」とお墨付きをもらった。「ズシリと重みを感じています。“男の漁場”は王道の海の歌だから…」と口元を引き締めた。令和の時代に、昭和歌謡を受け継ぐ男が力強い着実な一歩を記した。

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