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高品質“自撮り”実現 プロの機材で無人撮影

2019年11月17日

 自撮りが当たり前の社会になったとはいえ、自身のPR写真には、時と場合に応じた質や節度が求められる。よりよい写真が自分で撮れるように、プロの機材や技術を反映させた無人撮影環境を用意したり、インターネット上で人工知能(AI)を活用して一定水準を満たせるようにしたりと、試行錯誤する動きがでている。自由度が高まったからこそ、理解不足による訴求度の差は広がりやすい。関係者らは、先端技術を駆使し、利用者の活躍を後押ししたい考えだ。

無人の環境で、写真の質と低価格の両立を図った「内定写真館」=大阪市西区
顔の写し方を判別するAI機能を導入したリアズ=大阪市淀川区

 「ちょっとあご引いてー? そうそう、そのままー」。プロカメラマンが出すような指示が、スピーカーから次々と流れる。NPO法人「HELLOlife(ハローライフ)」が運営する大阪市西区の就業支援施設に、期間限定で設置された写真スタジオ「内定(うちさだ)写真館」の一場面だ。

■自信を育てる

 ハローライフは、就業支援の一環で履歴書を添削する中、配慮不足や本人の魅力を生かしきれていない証明写真があるのを問題視。書類選考を通過する機会の損失を減らそうと、今月スタジオを開設した。来年4月末まで運営する。

 質を高めるため、プロカメラマンやシステムエンジニアと連携。ストロボの発光量やホワイトバランスを調整し、目の輝きや血色が良く写るように本格機材を設置した。背景も色や光の当て方にこだわり、立体感や明るい印象をもたらすようにしている。

 求職者は、架空の写真家「内定トオル」の音声案内に従い、手元のタブレット端末を操作しながら撮影に臨む。施設にスタッフはいるものの、プロカメラマンの人件費がかからない分、費用を圧縮。同水準の品質や納品数の相場と比較して半額程度に抑えたという。

 同写真館の田川香絵ディレクターは「就活への自信を育てたい」と意欲を示している。

■信頼感向上を

 会員らがネット上でやりとりするライブ配信サービス運営「リアズ」(大阪市淀川区)は、登録者が自ら載せるプロフィル写真で信頼が得られるようにしてもらおうと、AIで顔付近の良しあしを判断する機能「PiCS(ピックス)」を今年導入した。

 視聴者が配信者を選択する際の条件に、「顔がしっかり分かる」が重視されているのを踏まえて開発した。評価は5段階で示し、正面を向いて顔を隠していない場合は高い評価が出やすい。

 加工アプリや手で顔が隠れている場合、小さく写っていたり、複数人が写っていたりすると、評価は低くなりがち。顔の角度や向きも考慮しているという。

 今後、評価結果を通知するだけでなく、どの部分をどう改善すべきか指摘する機能を拡充していく方針。釜野智史役員は「自分の画像を客観的に見るのは難しい。AIによる判断を通して、利用者が円滑にコミュニケーションを進められる確率を高めたい」と展望を示している。


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