大阪ニュース

自動運転へ走行試験 運転士不足に備え JR西

2020年2月20日

 JR西日本は、列車の自動運転実現に挑戦している。人口減少に伴う将来の運転士の担い手不足解消や、技術革新による人と機械の分業化を促し、より安全な鉄道の運行につなげるのが狙い。今月上旬から中旬にかけ、営業運転終了後の大阪環状線で走行試験を実施。段階的に有人の自動運転を目指し、将来は完全な無人化の実現を目標としている。

試験走行中の運転士はレバーに手を添えているだけ=18日未明、大阪市内
車両内でさまざまなデータを確認している係員ら=18日未明、大阪市内

 同路線で使われる323系1編成(8両)の既存の制御装置に、速度や停止位置を制御する機能を追加。区間のほとんどが高架の大阪環状線は、線路外からの侵入などの不測の事態が起こる可能性が低いことから運行路線に選ばれた。

 走行試験は大阪−京橋駅間で実施。最高速度は75キロで、通常の営業運転とほぼ変わらない。走行中は運転士が運転席に座るが、加速やブレーキ操作のレバーに手を添えるだけで操作は行わず、緊急停止に備える。同乗した係員が、さまざまなデータに目を光らせる。

 18日未明に行われた走行試験が、報道機関に公開された。運転士がブレーキレバーを緩め、信号を確認して起動ボタンを押すと発車。線路の傾斜やカーブなどの「線路データ」が、あらかじめ車両に登録されており、線路上の既存の設備から位置情報を車両で受信し、距離のズレを補正して速度を調整する。停車駅で列車は、停車目標のほぼ1メートル以内に止まった。

 列車の自動運転は、大阪環状線と桜島線での実現を目指す。試験では加速や減速の制御機能、駅の目標に停止させる機能、乗り心地を確認する。自動運転の導入により、社員は障害者の乗降のサポート、災害や事故発生時の乗客の避難誘導を行い、安全性向上につなげる。

 実用化のめどは未定だが、今後は信号との連携をテストするなどデータを蓄積していく。19日に会見した長谷川一明社長は「自動運転の技術開発による知見が幅広く鉄道技術に生かされ、安全性、快適性向上につながってほしい」と期待を寄せた。


サイト内検索