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ビッグイシュー価格改定 販売者を生活困窮者にも

2020年3月23日

 月2回発行の雑誌「ビッグイシュー日本版」の販売委託で、ホームレス状態からの自立を応援するビッグイシュー日本(大阪市)は4月から、同誌の販売価格を1冊450円に改定する。路上生活からの脱却というこれまでの目的に加え、販売者の対象を生活困窮者にも拡大。佐野章二・共同代表は「最低限の収入を確保し、事情に合わせて今すぐ働ける安心な仕事にしたい」と価格改定に理解を求める。

会見する佐野共同代表(中央)ら=大阪市北区
「ビッグイシュー日本版」のバックナンバー

 2003年創刊の同誌は、ホームレス状態の人が路上で販売。16年間で867万冊、13億2千万円の収入を得る機会を提供した。路上生活者は03年の2万5296人から、19年の4555人へと82%減。路上から脱却する人が増えれば、販売者数、販売部数も減少するというジレンマの中で、同社の累積赤字は約3千万円になった。

 このため、販売価格を4月1日から100円値上げする。販売者の取り分は50円上がって1冊230円となり、平均売上冊数である175冊を売れば、月8万500円と生活保護費の生活費の水準になる。

 また、通信販売による定期購読、全国各地のカフェやショップなどでの委託販売も進める。

 19日に大阪市内で会見した販売者の吉富卓爾さん(49)は、値上げへの不安を持ちながらも「一番は会社存続。物価、消費税が上がり、従来通りでは生活がしにくい。新型コロナウイルスの影響で通行する人も減った」と厳しい現状を明かす。

 水越洋子編集長は誌面について、著名人のインタビューに加え、自殺や依存症、非正規雇用など、社会的に排除されている人の問題を取り上げてきたと振り返り、「東日本大震災以降は、自然エネルギーや障害者の居場所など、市民を中心とした提案型の記事を掲載している」と説明。佐野共同代表は「新型コロナウイルスで一時的に仕事をなくした人にも対応できれば」と話す。


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