大阪ニュース

値引き8億円「問題ある」 売却当事者が“告白”

2020年3月26日

 森友学園に国有地が8億円も値引きされ販売された森友事件で、売却を担当した財務省近畿財務局の職員が、自殺した職員の妻に対し「8億の算出に問題がある」と打ち明けていたことが初めて明らかになった。売却の直接の担当者の“新証言”は、これまでの政府の説明や財務省の報告書の内容を覆す“新事実”であり、再調査を求める声が一層高まるものと予想される。(3月26日22面に関連記事)

大好きな書道の墨を買い込んでご満悦の故赤木俊夫さん(妻提供)

 証言を行ったのは、財務省近畿財務局の池田靖氏。森友学園への国有地の売却を統括国有財産管理官として担当した。公文書改ざんを巡り自殺した赤木俊夫上席国有財産管理官の直属の上司にあたる。

 池田氏は昨年3月、赤木氏の一周忌の直後、赤木氏の妻の求めに応じて自宅を訪れ2時間にわたり話をした。その時の会話の詳細な記録を妻が残していた。

 それによると、池田氏は国有地に埋まっているとされ、値引きの根拠とされたごみについて「どれだけ埋まっていて(撤去に)どれだけの費用がかかって、どれだけ売却価格から引かなければならないかということを、自分たちは最後まで調べようと努力したんです。でも大阪航空局(問題の国有地の管理者)は動かなかったんです」と述べた。

 そして「これは完全に国の瑕疵(かし)なので、それが原因で(この土地に建てられる)小学校の開設ができなかった時には損害賠償額が膨大になる。だから一定の妥当性のある価格を提示して、それで相手が納得すれば一番丸く収まる」「航空局が(撤去費用として)持ってきたのが8億だったということで、それを鑑定額から引いただけなんです」と述べ、値引きされた8億円は国土交通省大阪航空局が算定したと説明した。

 その上で「この8億の算出に問題があるわけなんです。確実に撤去する費用が8億になるという確信というか、確証が取れてないんです」と発言し、8億円を値引きした根拠が薄いことを事実上認めた。

 さらに池田氏は「僕が向こう(森友学園側)に『いくらやったら出せんねん』と聞いた」とも述べ、相手が出せる上限額を、価格を決める前に聞き出していたことも認めた。

 安倍晋三首相、麻生太郎財務大臣もこれまで、値引きには根拠があり適切だという見方を示し、公文書改ざんを受け18年にまとめられた財務省の報告書でも、問題はないという見解が示されている。


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