大阪ニュース

千羽鶴 コロナ禍に光 障害者に仕事、患者らに勇気

2020年6月18日

 大阪市内で障害者就労支援施設を運営する「リーパス・オフィスサポート」(大阪市中央区、金久裕一代表)は、施設利用者らが製作した千羽鶴を、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れている宿泊施設に贈る「願鶴(ねがいつる)プロジェクト」に取り組んでいる。一羽ずつ願いを込められた折り鶴は、孤独な闘いを強いられている患者や医療従事者、施設担当者と製作した利用者の心をつないでいる。

一羽ずつ丁寧につなげて千羽鶴を作る施設利用者ら(リーパス提供)

 リーパスは、同市中央区と西区に計3カ所の就労施設を運営。精神や身体に障害がある20代から70代の40人が、企業から委託された領収書の整理などの事務や、ノベルティーグッズの袋詰め作業を行っている。しかし、新型コロナウイルス感染の拡大で仕事が激減。利用者も自宅待機となった。

 「作業をしないと給料が支払えないので、誰でも折ることができる折り鶴を仕事にした」と同社取締役で、プロジェクト実行委員長の浜中秀貴さん。利用者は3月から1日4時間、多い人で1日40個製作し、現時点で約6万羽が完成。1万羽ずつ束ねて一人一人のコメントを書いた絵馬を付けて千羽鶴にした。

 府危機管理室の仲介により、これまでにアパホテル大阪肥後橋駅前(同市西区)など府内3カ所の宿泊施設に贈呈。同時に、プロジェクトを全国に波及させようとインターネット上でクラウドファンディングにも挑戦し、材料費などを募っている。今後は、東京や北九州市の宿泊施設にも郵送で届けるという。

 千羽鶴という仕事を確保したことで、利用者には通常時と同等の給料を支給できた。しかし、それ以上に浜中さんの心を打ったのは、“感謝の輪”だ。

 「普段の作業は、誰かにお礼を言われる世界ではない。相手に喜んでもらうと、(利用者も)うれしい。自分が作った物の先に人がいることが実感でき、雰囲気が明るくなった。最初は不安だったが、やってよかった」

 現在は、利用者のほとんどが通常業務に戻ったが、届け先がある限りプロジェクトは続けるという。

 ◇クラウドファンディングは「CAMP FIRE」で30日まで実施中。「願鶴プロジェクト」で検索。


サイト内検索