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「1型糖尿病」治療に光を 患者支援団体

2020年7月30日

 原因不明の「1型糖尿病」の治療に効果が見込まれる、ブタの膵臓(すいぞう)内組織を用いた「バイオ人工膵島移植プロジェクト」のうち、摂南大で手掛ける研究に患者の支援団体が補助金の助成を決め、29日に枚方市の同大で贈呈式を行った。ヒトと遺伝的に近いブタの組織内に病原体の有無を調べる手法を確立する研究で、助成額は600万円。団体は「2025年までに根治」を目標としており、実用化に期待が高まる。

目録の贈呈式を終え、写真撮影に応じる荻田学長、井上教授、井上理事長(左から)=29日、枚方市の摂南大枚方キャンパス

 「1型」は血糖値を下げるホルモン「インスリン」が突然分泌されなくなる病気で、生活習慣病として知られる「2型」に対し「小児糖尿病」「若年性糖尿病」とも呼ばれる。国内の患者数は10万人で、1日5回程度のインスリン注射を続ける必要があり、課題となっている。

 プロジェクトは複数の研究テーマで構成しているが、このうち農学部の井上亮教授(畜産学)が進めるテーマは、ブタを無菌状態で飼育する前提の上で、ウイルスや細菌など国内でブタが感染する可能性がある病原体の検査対象の範囲を広げ、迅速に検査する手法の研究。

 ごく少量でも病原体を検出できるPCR検査や、厚生労働省が100以上を指定するリストにもない病原体も検出できるメタゲノム法など、複数の手法を組み合わせるのが特徴。実用化に向けて高感度化などが課題で、井上教授によると、進ちょく率は「80%」としている。

 患者やその家族、医療従事者らでつくるNPO法人IDDMネットワーク(佐賀市)は基金を活用し、これまで83の研究に計4億円を助成。同プロジェクトには、このうち総額約1億9千万円を支援してきた。


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