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大阪難病連・松本理事長に聞く 感染恐れ出られず

2021年2月2日

 新型コロナウイルスとの闘いが1年にわたり続く中、今も難病患者が不安に苦しめられている。感染した場合の重症化のリスクに、恐怖心を抱いているからだ。通院の先延ばしによる体調悪化の懸念や、自粛生活の長期化に伴う体力の衰えも問題で、関係団体は「みんな、感染を怖がって外に出ないようにしている。早く収束してほしい」と願っている。

自身の難病と新型コロナウイルスの感染拡大の両方に不安を持つ松本理事長=1日、大阪市内

 「電車の中ではマスクを2枚、重ねてつけている。満員を避け、時間をずらして少しでも空いた車両に乗るようにしている」

 NPO法人「大阪難病連」(大阪市中央区)の松本信代理事長(80)=東大阪市=は25年前、「ウェゲナー肉芽腫(にくげしゅ)(現・多発血管炎性肉芽腫症)」と診断された。原因が分からず、治療法が確立されていない難病のうち、国が指定する指定難病の一つだ。

 初めは外耳炎や結膜炎にかかったが、医者に見せても原因は分からなかった。別の医療機関に入院し、診断が確定。家族は医師から「10日がヤマです」と聞かされていたという。

 持ちこたえたが、薬の副作用で顔がぱんぱんに腫れた。食欲もなく、体重は1カ月で14キロ落ちたという。鼻血や咳(せき)にも悩まされ、眠ることができなかった。重い体にむちを打って、病院の屋上から生駒山を望み、麓の家を思って気持ちを保った。

 4カ月後に退院。だが、今も約2カ月に一度の検査を受けている。症状を抑える薬と、副作用を抑える6種類の薬は欠かさず飲む必要がある。

 「25年、病気で苦しみ、1日たりとも気持ちが安らぐことはなかった」。そんな中、新型コロナ禍が襲った。普段から病気に苦しむ中、感染の不安とも闘う日々が続いている。

 昨年春には、ほかの難病患者からも感染を恐れて病院の検査の日程を延期したという話や、病院までの移動を電車からタクシーに変えたと耳にした。松本さんは「こんなにコロナが長引くと思わなかった。本当に早く収束してほしい」と語る。

 病床が逼迫(ひっぱく)する中、限られた医療資源で治療に当たる医療現場が、患者の「命の選別」をせざるを得ない恐れがあると言われていることについては「難病だからとトリアージをするのではなく、命は平等に扱ってほしい。私たちは好んで病気になったのではない」。

 先行きが見通せず不安が広がる中、松本さんは「難病を知られたくないという人が多いが、一人で悩まずに相談してほしい」と呼び掛け、大阪難病連では患者や家族からの相談を受け付けている。


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