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大阪空襲犠牲者名 10年ぶり銘板追加

2021年2月8日

 今年で開館30年を迎える大阪国際平和センター「ピースおおさか」(大阪市中央区)は、戦時中の大阪空襲で犠牲となった人々の情報を集めている。3月末までに新たに判明した人名は、同センター中庭「刻(とき)の庭」にある死没者銘板に約10年ぶりに追加される。戦後75年が経過しても問い合わせや申し出は途絶えることがなく、同センターでは新情報の提供に期待を寄せている。

大阪空襲死没者の名前が並ぶ銘板=大阪市中央区のピースおおさか「刻の庭」

 太平洋戦争中の大阪は、米軍によって1944年12月から45年8月の終戦前日まで8度の大空襲を含む大小約50回の空襲を受け、約1万5千人が犠牲になったとされる。

■銘板に約9千人分

 府では被害を把握しようと2002年10月〜04年3月に、戦後初の死没者名簿作成のための調査・登録作業に着手した。

 委託された同センターは、「大阪戦災傷害者・遺族の会」が過去に自力で作成していた名簿(約6千人分)を足掛かりに、全国の自治体にもチラシを配布して、死没者の氏名▽年齢▽性別▽被災場所▽被災日▽死亡場所▽死亡日▽死亡時の住所−などの情報を収集、重複部分などを精査した。

 遺族の希望で非公開となった約50人を除く約8600人分の名前を記載した名簿が完成し、04年5月から館内で一般公開を開始した。

 05年8月には死没者を追悼し、平和を祈念する場「刻の庭」を新設。モニュメント内の壁に死没者名を浮き彫り加工した銅製銘板を掲げている。

 名簿は追加情報があれば年度ごとに更新されるが、銘板は1枚の銅板に複数人の名前を加工する構造上、一定人数がまとまってから設置している。過去には06年と11年に銘板が追加され、現在計約9千人分の名前が掲げられている。

 前回の追加以降の10年間には、約130人の名前が明らかとなっており、新たな銘板に追加される。中には文字の誤りや、空襲で死没という情報の誤りが判明したケースもあったことから、より正確な情報に改めるために訂正・削除の加工も調整中だ。

■思い詰まる

 昨年は戦後75年の節目で、当初は情報が増えると予想されたが、新型コロナウイルス禍で同センターの平和祈念事業が軒並み中止・縮小されたこともあり、申し出は例年並みにとどまった。

 遺族の高齢化や戦争体験者の減少が進む中、情報収集には困難が伴うが、同センター専門職員の田中優生さんは「ご遺族の思いが詰まったよりどころとして、今後も重要性が増す。より多くの人に名簿・銘板の存在を知ってもらい、さらなる情報収集に努めたい」と話した。

 ◇銘板更新を含む「刻の庭」維持管理には市民からの寄付金「平和寄金」を活用していることから、同センターでは今後も寄付を呼び掛けている。問い合わせは電話06(6947)7208、月曜休館。


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