まちづくり団体の京橋地域活性化機構(大阪市都島区)は24日、JR京橋駅前にある「京橋さくら通り商店街」の活性化に仮想現実(VR)を導入する新サービスを始める。VRを通してまちや店内の様子を360度眺めることができ、誘客につなげたい考えだ。昨年、商店街がロケ地になったハリウッド映画最新作が封切りされるのを前に、関係者は「世界的に注目される商店街になれば。フィルムツーリズムを体験してもらいたい」と今後に期待を寄せる。
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飲食店が8割以上を占める「京橋さくら通り」 |
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ハリウッド映画「G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ」のロケがあった商店街内にあるビルの屋上。VRで自由に入ることができる |
同商店街では、約30ある店舗のうち居酒屋や焼肉店など飲食店の割合が8割以上を占める。新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言発令に伴い、午後8時までの営業短縮を求められ、仕事帰りの人も多い“サラリーマンの街”では休業を強いられる店舗も少なくない苦境だ。
そこで、国内外の移動も制限される中、同法人ではITベンチャー「CLASSIX(クラシックス)」(同市北区)と連携し、始めたのがこのサービスだ。動画ではない、体験者主体で360度の空間が楽しめるVRを活用し、現場に足を運ばなくてもロケ地を疑似体験できる仕組みを導入。まちや店内のあらゆるところを公開し、各階をフロア移動できるようにすることで、誘客につなげようと考えた。
同法人によると、活性化の起爆剤にしようと、今回の新作はロケを誘致し、撮影は昨年2月にあった。全米で今秋公開を予定しているアクション映画「G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ」の舞台になり、まちを終日封鎖した上で、屋上ではビルからビルへ飛び移る、ど派手なシーンも撮影されたという。
過去2作のシリーズ興行収入は6億7千万ドル(約737億円)を記録。世界中でファンを集める作品に期待を託したが、感染拡大に伴って映画の公開は遅れ、封切りに向けて次の一手を打った格好だ。
現在、導入しているのは商店街内の一部だが、今後2カ月かけて全店舗をVRで散策できる状態を目指す。飲食店のメニューも閲覧できるようにする。
日本での公開日は未定ながら、商店街ではロケ地として話題が集まることに期待を寄せる。同法人の鷲見慎一理事長(40)は「店内をVRで見ることができれば、気軽に入りやすくなるのではないか。商店街のことをまずはバーチャルで知ってもらい、将来的にはリアルの店舗に足を運んでほしい」と展望している。
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