65歳以上の高齢者に向けた新型コロナウイルスワクチンの接種が、12日の週から大阪府内でもスタートする。大阪市をはじめとした府内各市町村では、先行き不透明な供給量を見据えながら、準備を進めている。接種の進め方は自治体によってまちまちだが、混乱を招かないように順番を決めるなど万全の態勢をとる。
![]() |
3月に医療従事者向けに行われた新型コロナウイルスワクチンの接種。間もなく高齢者向けの接種が始まる=大阪市住吉区 |
大阪市では、先行して接種する高齢者施設の入居者へ接種券は11日までに届ける。医師が常駐する介護老人保健施設85施設の約6千人から接種をスタート。4月中に1回目を終わらせ、その後、157の特別養護老人ホームの約7600人に移行していく手はずだ。
施設を利用していない一般の高齢者に対しては5月17日の週からとし、各区の医師会などに協力を要請。しかし、ワクチンの正確な供給量が見通せないことから、具体的な実施時期について市健康局では「明確には示せない」と苦慮している。
豊中市では、1月から接種対策チームを編成して対応してきた。接種券は3月末から約10万人の高齢者に送付を開始。4月中旬から認知症のグループホームや特別養護老人ホームの入居者から接種する。市内の施設間で協議し、入居者などの状況に応じて順番も決定している。
一般の高齢者については、かかりつけ医による個別接種をメインに据え、集団接種を補助的に行う方針。しかし、ワクチンの供給量が不透明であることから、実施開始は5月以降としている。
約2500人の高齢者がいる千早赤阪村は、周辺3市町と合同で高齢者施設への巡回接種と大規模な会場での集団接種を併用する。巡回による高齢者施設利用者の接種を4月中に開始し、一般の高齢者には4月末頃から接種券を送付して、ゴールデンウイーク明けからのスタートに向けて準備を進めている。
集団接種には周辺の市町と連携し、合同で「すばるホール」(富田林市)などの施設を利用。担当者は「ワクチンの品質保持と有効利用、効率性などを考えて判断した」と話す。自動車の利用の多い地域であることから、駐車スペースが確保できる施設ということも理由だ。
急ピッチで準備を進めている各自治体だが、ネックとなっているのが供給量の把握。大阪市の担当者は「国からの情報が二転三転する。正確な情報をお願いしたい」と求め、さらに連絡が直前になることも多く「準備には1カ月はほしい。時間的余裕を」と訴える。1 | 松原で高齢者12日開始 府ワクチン接種連絡会議 |
2 | 急拡大に強い危機感 府が医療非常事態宣言 |
3 | 府内 高齢者ワクチン接種来週スタート 準備急ぐ |
4 | [温故知新] コロナワクチンの危険性 |
5 | 上限10万円補助検討 府、まん延防止で飲食店に |