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大経大卒業のタンさん 大阪で社会人生活スタート

2021年4月9日

 大阪経済大(大阪市東淀川区)を今春卒業したベトナム出身のゴー・チュン・タンさん(25)が、大阪市北区の基礎化粧品メーカー「プルソワン」で社会人生活のスタートを切った。新型コロナウイルス禍に伴う厳しい就職活動を乗り越え、つかんだ日本での就労。同社はベトナムでのビジネス拡大に力を入れており、「両国の懸け橋になりたい」と意欲を燃やしている。

大阪で"営業マン"としてスタートを切ったタンさん=大阪市北区

 日本に留学経験のあった義姉の影響で、2015年3月に来日。新聞奨学生として大阪の日本語学校に通い、日本語能力試験では最難関「N1」に合格した。17年に同大学経営学部に入学し、同校では初めて4年間のカリキュラムを終えたベトナム人として卒業した。

 日本で苦労したのは「学校で習わなかった大阪弁」ぐらいで、初めての刺し身も今では「大好物」。友人との交流や、ベトナム語を教えるボランティア活動を通して「日本人の親切さや勤勉さ」に触れ、日本で就職し、両国の懸け橋になりたいとの気持ちが強まった。

 就職活動は昨夏から本格的に始め、履歴書を最終的に約50社に送った。返事があったのは「そのうちの半分」。夢をかなえるために日本企業の門をたたき続けた結果、ベトナムビジネスに力を入れるプルソワン社の目にとまった。

 同社の俵一平社長は「日本でアルバイトしながら言葉を学び、日本人と同じように大学で勉強するのは、なかなかできないこと。ベトナム人だからではなく、たくさん面接した中で、一人の人として能力が高いと感じた」と期待する。

 営業本部に配属となり、ベトナムに関するマーケティングリサーチや資料作成を担う。今後は日本国内での営業も行うため、「商品の種類や価格、使い方、美容関係の用語を家でも勉強している」と熱心だ。

 7人きょうだいの末っ子で、母親と週2回はビデオ通話アプリで近況を報告し合っている。「ベトナムには兄がいるし、アプリで顔も分かるので大丈夫。日本で仕事を頑張って、仕事でベトナムに帰ることができれば母も喜んでくれる」。夢の実現に向け一歩を踏み出した。


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