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「あやしい絵展」 妖気漂う美人画や人形 大阪歴史博物館

2021年7月20日

 エロチック、グロテスク、ミステリアス−。美しいだけではくくることのできない魅力的な作品にスポットを当てた特別展「あやしい絵展」が、中央区大手前4丁目の大阪歴史博物館で開かれている。幕末〜昭和初期に制作された美人画、小説の挿絵、人形など約160点を展示。“背筋もヒヤリ”な物語性や描かれた時代背景を読み解きながら、作品の魅力に迫っている。前期は26日まで、後期は28日〜8月15日。

落城寸前の大坂城での淀君の姿を描いた作品などが並ぶ展示会場
安本亀八作の生人形「白瀧姫」

 展示は「激動の時代を生き抜くためのパワーを求めて」(幕末〜明治)、「花開く個性とうずまく欲望のあらわれ」(明治〜大正)、「社会は変われども、人の心は変わらず」(大正末〜昭和)の三つのテーマで時系列に展開する。

 大阪画壇をリードした日本画家、北野恒富(1880〜1947年)の作品から、落城寸前となった大坂城での淀殿を描いた「淀君」(1920年)と、近松門左衛門の『心中天網島』を題材にした「道行」(1913年)を展示。恒富に私淑した堺市生まれの女性画家、島成園(1892〜1970年)のあざのある女性画「無題」(1918年)もある。

 また、会場入り口には実際に生きているかのようななまめかしさを表現の主眼とした生人形(いきにんぎょう)で、初代安本亀八作の「白瀧姫」(1895年頃)を展示。切られお富の一場面を描いた甲斐庄楠音(1894〜1978年)の2点の「横櫛」(後期展示)も見どころになっている。

 同館の大沢研一館長は「あやしいというのは、漢字を当てようと思うと何種類もあり、少しずつニュアンスが違う面白い言葉。この特別展では歴史に題材を取ったあやしさ、それが近代的に表現されたときのあやしさ、この2種類が混在しているところが面白い」とアピールしていた。

 午前9時半〜午後5時(会期中の金曜は午後8時まで、入館は閉館の30分前まで)。火曜休館(8月10日は開館)。大人1500円、高大生1100円、中学生以下無料。


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