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獅童と初音ミク共演 2年ぶり「超歌舞伎」

2021年8月5日

 京都南座は9月3〜26日、「九月南座超歌舞伎」を上演する。歌舞伎俳優の中村獅童とバーチャルシンガーの初音ミクによる、歌舞伎と最新のテクノロジーを融合した舞台で、南座ではコロナ禍での延期を経て2年ぶりの上演となる。

「九月南座超歌舞伎」で共演する中村獅童(右)と初音ミク=大阪市内のホテル

 動画配信サービス「ニコニコ動画」を手掛けるドワンゴと松竹が共同製作し、2016年からニコニコ動画の参加型イベント「ニコニコ超会議」内で公演を重ねてきた「超歌舞伎」。日本の伝統芸能とNTTの技術をはじめとした最新テクノロジーによって、新たな歌舞伎のステージを創出している。

 今公演では2演目を披露。書き下ろしの「都染戯場彩(みやこぞめかぶきのいろどり)」は、桜が満開の「花の大内」▽秋の情景を描いた「月の吉原」▽勇壮な獅子の狂いを見せる「雪の石橋」−の三段返しの構成による歌舞伎舞踊。

 そして「御伽草紙戀姿絵(おとぎぞうしこいのすがたえ)」は、今年4月に幕張メッセ(千葉県)で初演された作品で、源頼光と傾城七綾太夫との恋物語と、土蜘蛛(ぐも)伝説を軸に頼光の家臣である平井保昌と、その弟である袴垂保輔の苦衷の物語などを描く。初音ミクが初めて悪役に挑むのも話題だ。獅童は源頼光と袴垂保輔の2役。リミテッドバージョンでは澤村國矢が務める。

 獅童は「初音ミクさんは絶対に間違えない。完璧に仕上げてきて、毎回多くの刺激を受けている」と大絶賛。バーチャルだけに“完璧”なのだが、「踊りもお上手。数年でここまで上達する人はいないので、並々ならぬ努力をされていると思う」とたたえる。絆も深まり、「あうんの呼吸もできてきた」という。

 最新技術で見せる「分身の術」や「超越の術」に加え、南座では観客が振るペンライトの光が演出の一部になるという。

 獅童は「古典を守りつつ、時代の最先端を取り入れる」ことを重視し、その好例となった超歌舞伎が「われわれがいなくなった時にどうなっているか楽しみ」と目を細める。3歳の息子の七夕のお願いは、超歌舞伎の役者になることだったそうで、強力な“後継者”も育っているようだ。


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