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抗体カクテル療法 重症化抑制を実感

2021年9月8日

 大阪府は宿泊療養施設で新たな治療法「抗体カクテル療法」の運用を始めた。感染力の強いデルタ株が猛威を振るう中、7月に厚生労働省が特例承認した抗体カクテル療法はどのような治療薬なのか。大阪急性期・総合医療センター救命救急センター長、藤見聡氏に聞いた。

大阪府内の抗体カクテル投与室の点滴ブース(大阪府提供)

 −抗体カクテル療法とはどのような薬でどのような療法ですか。

 「抗体カクテル療法」はウイルスが細胞に感染するのを二つの中和抗体「カシリビマブ」と「イムデビマブ」を混ぜて点滴することで、ウイルス表面に結合して増殖を抑える軽症者向けの点滴薬です。

 −ウイルスが体の細胞にくっつくのを抗体が阻止するのですか。

 抗体は体に侵入したウイルスや細菌を無力化したり、働きを弱めたりする免役の働きの一つです。ウイルスは体の細胞にくっつくことで侵入、増殖します。働きとしては「ウイルスが体の細胞にくっつくのを抗体が阻止する」「ウイルスが増殖せず重症化を防ぐ」−の二つです。

 −治療の対象者は。

 入院中の重症化リスクがある患者、例えば、50歳以上の肥満者、喫煙者、高血圧患者、糖尿病などの基礎疾患がある患者に活用しています。医師の判断もありますが、呼吸困難で酸素投与を要しない軽症、中等症の患者が対象となります。

 −デルタ株などの変異ウイルスにも効果があると聞いていますが。

 海外の臨床試験(治験)では入院や死亡リスクが7割減ったとされ、重症化抑制が期待されています。私どもの病院でもこれまで(8月27日現在)10人の患者に抗体カクテル療法を施術し、9人の患者が退院しました。重症化の抑制は実感しています。抗体カクテル療法の医薬品の供給は厚労省が国内販売を担う中外製薬(東京)から買い上げ、オーダーすると無償で供給していただいています。


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