星野リゾートが手掛ける都市観光ホテル「OMO7(おもせぶん)大阪 by 星野リゾート」が22日、JR新今宮駅前に開業した。OMOブランドは地域と一体になって街を楽しむ旅の追求を目指し、近隣に広がる繁華街・新世界の無料観光ツアーも企画する。地元商店にとっては新型コロナウイルス禍が続く中で久々の明るいニュースとなり、歓迎の声が上がっている。
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通天閣の下でたばこ店を営む上島さん |
「駅前に突然丘ができ、建物の窓一つとっても大きさはさまざま。面白いこと考える」と感心するのは、「広田屋」の屋号を掲げ通天閣の真下でたばこ店を営む上島佳之さん(80)。建設段階から興味深く見守ってきたホテルの完成に「地域の新しい魅力になる」と期待をふくらませる。
コロナ禍前はたばこ店にも日本土産にしようと中国、韓国からの観光客が多く訪れた。国内の喫煙者の減少も相まってこの2年で「売り上げは半分以下」に落ち込むが、大阪を代表する観光名所、通天閣の真下に“誇り”を持ち営業を続けている。
店内ではタバコ関連のグッズの展示スペースを設けるなど工夫を凝らした店作りを進めてきた。「感心しているだけではなく、僕ら個人経営者もホテルを見習い、さらに魅力を打ち出していきたい」と意気込む。
新世界で60年以上営業している喫茶店「タマイチ」の店長、東田光喜さん(54)は「影響の大きさなどは未知数だが、マイナスなことはないだろう。楽しみしかない」と笑顔を見せる。
ホテル建設が発表になった直後は「地域にどんなアプローチをするのか。無視されるのでは」と不安もあった。しかし、同社の社員から頻繁に訪問を受け、ツアー企画などの説明を受けるうちにその不安は徐々に薄れていった。
「純喫茶」のブームもあり、同店では昔ながらのクリームソーダやホットケーキなどが人気。「星野さんに泊まるお客さんのニーズも同じではないか。開業しても何か特別なことをするつもりはない」。自然体で巨大宿泊施設を受け入れようとしている。
多くの人に新世界に興味を持ってもらおうと、長年さまざまな情報発信に努めてきた新世界町会連合会の近藤正孝会長は「星野ブランドによる新世界のイメージアップに期待する。僕たちが行ってきた新世界を知ってもらうきっかけづくりの活動をコンテンツとして伝え、星野さんに発信してもらうこともある」と歓迎する。
「すぐに大きな効果があるかは分からないが、宿泊施設ができることで1日だけの観光ではなくなる」と経済効果について指摘。通天閣と串カツだけでなく「滞在することで『観光生活者』としてのニーズが平日の底上げ、売り上げの底上げにつながるかも知れない」と話す。
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