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「多くの犠牲者出る」 ギャンブル依存症シンポ

2022年5月23日

 大阪府・市が進めるカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致が本格化する中、大阪のギャンブル依存症対策の現状をテーマとするシンポジウムが大阪市内で開かれた。「ギャンブル依存症問題を考える会」(東京)代表の田中紀子氏が講演で府の対策について「進んでいるとは言い難い。このままでは多くの犠牲者が出てしまう。もっと進めて」と訴え、大阪府議会5会派の代表者が対策強化の必要性を確認した。

若者への対策を喫緊の課題に挙げる田中氏

 考える会大阪支部と全国ギャンブル依存症家族の会(大阪、兵庫)が主催し、「ギャンブル等依存症啓発週間」(5月14日〜20日)の15日に開催した。

 田中氏はギャンブル依存症対策の予算について、IR誘致を進めていた横浜市の昨年度の約6千万円に対し、大阪府全体で約3千万円、本年度でも約5千万円だったと指摘。「府全体で横浜市の予算にも追いついていない。府の民間団体への補助金が府全体でわずか30万円」と予算不足を強調し、民間団体への府の補助が毎年異なる事業を対象としている点について「こんな悪条件が付くのは大阪府だけ。事業の継続が大切なのに」と窮状を訴えた。

 大阪IRがモデルとしているシンガポールと日本の対策の違いについて「シンガポールは(人口が)兵庫県1県ぐらいしかないが、予防費だけで2億6千万円あり、予算の桁が違う。管理国家であり、オンラインカジノも国家で遮断しているが、日本ではほとんど取り締まりされず、オンラインギャンブルに若者が取り込まれている。産業側、開発したアプリ側のCMがあり、業務提携している銀行が呼び込む。オンラインカジノの日本へのアクセスが(コロナ禍で)100倍になっている」と状況を説明。

 同会の2019年から21年までの調査では、ギャンブル依存症を発症すると大学以上に進学した3割の人が中退している。田中氏は「ギャンブル依存症を抱えたまま中退すると、そのまま非正規雇用となり、罪を犯してしまったり、自死してしまうことがある」とし、大学生をギャンブルから守ることを喫緊の課題に挙げた。


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