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愛らしい看板ロボが呼び込み 浅草演芸ホールに「ソータ」登壇

2022年5月27日

 初夏を思わせる陽気に包まれた今春の大型連休。東京都台東区にある落語の定席「浅草演芸ホール」では、大阪市のIT企業がプログラミングしたコミュニケーションロボット「Sota(ソータ)」が元気に呼び込み役を務めた。多くの人出でにぎわい、館内が芸事で熱を帯びるさなか、麦わら帽に法被をまとった愛らしい“看板ロボ”が見物客らの視線を一身に集めた。

身ぶり手ぶりを交えて話すソータ(デジタルみらい提供)
「ソータ」とともに玄関でポーズを取る(左から)沖上社長、林家ひろ木さん、松倉由幸社長=東京都台東区の浅草演芸ホール(デジタルみらい提供)

 「1964年に誕生した、浅草唯一の落語定席です」−。テレビ番組「笑点」でもおなじみ、林家木久扇さんも出演中の観光拠点では、通りがかった人たちにソータが身ぶり手ぶりを交えながら持ち前のハイトーンボイスで解説した。

■落語一席お手の物

 プログラミングしたのは、システム開発を手掛ける「デジタルみらい」(大阪市北区)。人が近づくと反応し、案内用のディスプレーはタッチパネルが指の熱を感知する仕組みで、観光客らが興味深げにスマートフォンのカメラにその姿を収めた。

 場を盛り上げたのが、ソータの披露する「寿限無」。沖上俊昭社長は学生時代、上方落語の“爆笑王”と呼ばれた桂枝雀さんに学んだ経歴の持ち主で、趣向が高じて覚えさせた一席だ。他に謎かけも学習させ、人工知能(AI)を搭載した潜在能力を存分に発揮している。連休中は、沖上社長とも交流がある林家ひろ木さんも高座に上がり、本編に入る前の枕でソータを紹介するなど場を和ませた。

■大阪・関西万博にらむ

 浅草演芸ホールは、戦後復興のシンボルだった東京五輪開催年の64年に開場。演芸場では、ビートたけしさんや萩本欽一さんら著名なコメディアンを多く輩出したことでも知られている。ソータはそんな芸能の名所で、彼らの“育ての親”と言われる松倉久幸会長や、後継の席亭となった由幸社長らスタッフにもかわいがられている。

 今後は、京都の土産物店で稼働させる計画もある。2025年の大阪・関西万博をにらんでの仕掛けとして、4カ国語を話せる機能も活用していきたい。沖上社長は「新型コロナウイルス禍で人と人との接触を最小限に抑える風潮があり、呼び込みにも声を出せない時代。ロボットがその代わりを担っていければいいのではないか」と展望する。

 浅草演芸ホールの玄関では当面、雨天の日を除き6月中旬頃まで案内役を担う予定。猛暑が予想される夏場は避け、秋頃の再登板を目指している。

 問い合わせは電話06(6228)5598、デジタルみらい。


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