大阪市中央区の大阪歴史博物館で特別展「〜浮世絵師たちが描く〜絶景!滑稽!なにわ百景!」が開かれている。江戸時代に描かれた錦絵『滑稽浪花名所』(50図、同館所蔵)を前後期に分けて全て紹介。全図収録の図版集も刊行し、“大坂らしい笑い”に迫っている。
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「滑稽浪花名所」を紹介する展示会場 |
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暁鐘成の関連資料コーナー |
大坂を描いた滑稽浪花名所は、歌川芳梅、歌川芳豊による50景で構成。江戸・京都のシリーズと比べ、登場人物の動きがことさら面白く描かれているのが特徴で、近年さまざまな展示会に登場し注目を集めている。
同館によると、船上の芸妓(げいこ)が体勢を崩して渡し板が男性のあごにアッパーカットを決める「桜ノ宮」など「滑る、転ぶのドタバタ」系が最も多い。江戸時代の身分制社会を背景とする「武士階級や僧侶などに向けた風刺」や、民間信仰・迷信がうかがえる「化かされる」、また複数の要素を掛け合わせた作品もみられる。
同展では全てに江戸時代の風俗などを踏まえたユニークな解説を付け、地図と合わせて紹介。図版集には、原寸に近いサイズで各作品を掲載している。期間中は、同館公式ツイッターを活用した入館料割り引き企画もある。
会場ではほかに、大坂の絵師、歌川国員、歌川芳雪、歌川芳瀧が描いた『浪花百景』を展示替えをしながら全点紹介。幕末期の大坂で絵師、戯作者、名所案内記の著者としても活躍した暁鐘成(1793〜1860)のコーナーもある。
担当学芸員の島崎未央さんは「作品を入り口として大阪の歴史や江戸時代の人々の生活や感性について興味をもっていただきたい」とアピールしていた。
6月5日まで。午前9時半〜午後5時(会期中の金曜は午後8時まで)、入館は閉館の30分前まで。火曜休館。問い合わせは電話06(6946)5728。
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