陽春インタビュー2023 コモリグループ 中島金一郎会長

 企業を発展させていくには、時代の変化に対応した知恵を生かして挑戦していくことが大切です。私は81歳になりますが、夢はいくらでも広がり、新規事業への挑戦を続けています。

 現在、力を入れているのが、食品アレルギーの心配がある小麦を使わないギョーザとシューマイの普及です。昨年11月に福井マルダイ食品が事業主体となって私の故郷・福井県の福井市中央卸売市場の近くに、国の補助金を活用してギョーザとシューマイを製造する加工場を建設しました。

 ギョーザを包む皮の原料は小麦ではなく、国産米を使用。グルテンフリー商品(人によってアレルギー反応を引き起こすグルテンの成分を含まない食品)として、幼稚園・保育園・学校の給食や老人介護施設、スーパー、外食産業店舗などに向けて販路開拓に力を入れており、OEM(相手先ブランド製造)の注文にも対応しています。

 工場は今冬から稼働しており、特殊な加工技術で米を原料として使えるようになりました。小麦と変わらない風味と食感で、すでに納入しているお客さんからも「おいしい」と好評です。価格も小麦を使った商品と同程度で、連休後、本格的に製造を軌道に乗せ、月商1500万円の売り上げを目指していきたい。

 「フレッシュ365」の取り組みも新規事業です。大阪市中央卸売市場本場の活性化を目的にした勉強会「創鮮会」の経営者仲間で立ち上げました。魚、肉、野菜、加工食品などを扱う企業が協力して、新たな店舗を運営しようというもので、中央卸売市場のブランド力、素材の良しあしを見極めるプロの眼力、安心・新鮮な商品などの特色を生かして、店舗を拡大していく方針です。

 既存の地元スーパーで経営不振の店を再建していくことも考えており、食品業界全体の活性化にも貢献できるような取り組みを推進し、数年後には年商50億円を安定的に売り上げるようにしていきたい。

 最初にチャレンジしていくことの大切さを強調しましたが、無から有をつくるのは大変です。花が咲くのはいつかわからない。実がなるのは、さらに先。まず畑を見つけ、土壌改良して種をまく。土壌が悪いと良い植物が育たない。土壌を社員に例えると、その社員も会社の財産になる人財、いるだけの人在、居ることが罰になる人罪といろいろです。しかし、コモリグループの社員はハングリー精神を持ち、自分の生活のためだけでなく、家族のため、会社のため、社会のために汗を流している「人財」ばかりだと信じています。

 私は「君がいるから職場が成り立っている」と従業員によく言います。従業員をまず受け入れ、その人の価値を育てていくのです。人も物も育てる文化がなかったらだめです。

 AI(人工知能)、ITの時代に、ロボットと同じ仕事をしているといつか仕事がなくなります。そうならないようにするのが人間の力だと思います。知恵を働かせることです。しかし、デスクワークの知恵ではだめです。現場で発想した知恵でないと“生きた知恵”になりません。

 コモリグループも現場で見聞きしたお客さまの声を大切に、知恵を持ったプロのチャレンジ集団として、時代の変化を見極め、新規事業に挑戦しながら明日を切り開いていけるような企業グループに育てていきたい、と考えています。

中島金一郎氏プロフィル 

中島金一郎氏プロフィル 福井県おおい町の出身。高校生の時、丸大食品の創業者(故・小森敏之氏)の人柄にひかれ入社。小森氏を人生の師と仰ぎ、「心の商売の大切さ、人を大事に人脈を広げ、信頼関係を構築していくことの重要性など、たくさんのことを学びました」。座右の銘は社是でもある「至誠通天」。

【コモリグループ】 
■本 店 大阪市福島区野田1丁目1番86号
■事務所 大阪市西区安治川1丁目1番18号
■電 話 06(6582)0063
■FAX 06(6582)0065
■北部支社 大阪府茨木市宮島1丁目2番1号
■加工場 大阪市西区安治川1丁目1番18号
■社 長 呉屋秀信
■事業内容 水産物仲卸・水産加工業
■年 商 250億円

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