岡力の「のぞき見雑記帳」

どんな飲み物? 「タコハイ」

2020年7月6日

懐かしい響き…大阪風昭和アルコール飲料で乾杯!

半夏生は、おうちタコづくし

 東京の居酒屋へ行くと「ホッピー」や「電気ブラン」など庶民に愛され続けるご当地アルコールが存在する。ここ大阪でも他府県の人間がクスリと笑う「タコハイ」がある。よく飲食店でお客が「これってどんな飲み物?」と尋ねるシーンを目にする。大半の店員が困惑しながら「チューハイです」と返答。はっきりとした真相は知らない様子だ。

 そもそも「チューハイ」は、「焼酎ハイボール」の略語だとか。そして使用する焼酎は米、芋、麦の風味が際立つ乙類ではなく、無色透明でクセのない甲類がベストとの事。現在では焼酎に限らずジンやウオッカなど蒸留酒を異なる飲料で割った物を「チューハイ」と定義している。

 一方の「タコハイボール」は、サントリーで販売していたマイルドウオッカ「樹氷」をソーダで割った物を指す。当時、田中裕子とタコのイラストを起用したCMは社会現象にもなった。本編で「タコが調子に乗って名付けた」と由来を語るシーンがある。実際にはチューハイに対抗しもじったと聞いたが、リアリティーある演技には信ぴょう性があった。なお、「タコハイ」の名称は同社が商標登録済みだ。

 当時、タコのイラスト缶が欲しかった私は小銭をためて自販機で購入。それを持ち帰ったところ「お酒やないの?」と母親に怒られた。その晩、父親がグビグビ飲み干した缶を半泣きになりながら洗い、部屋に飾った苦い経験がある。よく行く焼き鳥店ではチューハイのプレーンを「スタコ」と称して販売。その関西風の響きが好きで大人になってからはグビグビ飲むようにしている。

 梅雨もようやく後半にさしかかった。関西では古くから半夏生に豊作を祈りタコを食べる文化がある。今年は、新型コロナウイルスの終息を願い、たこ焼きをアテにおうちで乾杯した。

(コラムニスト)


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