岡力の「のぞき見雑記帳」

パルナス商事・代表取締役 古角武司さん

2021年6月7日

『ピロシキ』と共に新たな挑戦? 関西人のソウルフード

揚げたてのピロシキを手に抱える古角武司さん

 「幼稚園から帰ると台所にロシアの製菓研究所から招いた職人(大きなおばさん3人)がいた時は驚きました」。そう語るのは、『パルナス商事』で代表取締役を務める古角武司さん。

 中村メイコとボニージャックスが歌うユニークなテレビCMで一世風靡(ふうび)した『パルナス製菓』は伯父の松夫さんと父親の伍一さんが1952年に創業。同社は2000年に営業を終了したが、1974年に伍一さんが独立し阪神電鉄・尼崎駅構内で喫茶とテークアウトを兼ねた『モンパルナス』を展開した。「最盛期はどこの駅前にもケーキ店があり、お父さんが飲んだ帰りに土産で買って帰りました。その後、サラリーマンがモーニングにランチと喫茶店で食事をするようになりました」。

 武司さんは近畿大学水産学科を卒業後、食品メーカーを経て家業を継いだ。阪神淡路大震災前の94年10月、社長に就任しホームページ(HP)の作成や通信販売にも力を入れた。しかし座席数65席を誇った店舗も新型コロナウイルス感染拡大に伴いダメージを受け移転を決意。3月末でいったん閉店し、5月にかつて『パルナス製菓』の本社工場があった豊中市で新たに開業した。

 インテリアデザイナーとして活躍する長男の尚也さんがモスクワをイメージして手掛けた内装。壁紙など細部にわたりこだわりが感じられる。また店内ではキャラクターのノベルティや会社の歩みがパネル形式で展示されており、童心に帰ることができる。多い時には一日2千個近く揚げる名物の「ピロシキ」も店頭に並ぶ。

 「おかげさまで尼崎時代のお客さま、地元の方、そして…豊中の工場で勤めていたという方が来店されています。ピロシキはもちろん、他のパンもおいしいので是非、お越しください」。レトロなデザインの箱に入ったピロシキを買って帰る。食卓にて変わらぬ味と自宅のある北摂での開店に喜びをぐっとかみしめた。

(コラムニスト)
 ■モンパルナス 豊中市庄内西町2の15の8(阪急電鉄庄内駅徒歩3分)、営業時間は午前8時〜午後7時(日曜・祝日午前8時半〜午後6時)、第2・4日曜休み。電話06(6151)4915、http://www.pirosiki.com/


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