ここ20年、デジタルジャーナリズムを実践し、ビジネス的な成功を目指すさまざまな企業が現れては消えていった。最近は、2010年代半ば頃、新たなニュースメディアとして注目を集めたアメリカの企業が相次いで苦境に立たされている。
アメリカのバズフィードは、2021年、優れた報道に贈られるピュリツァー賞をデジタルの媒体としては初めて受賞するなど、調査報道で注目され、ある種「権威」あるメディアになりつつあった。だが、このほどその報道部門である「バズフィード・ニュース」を閉鎖し、報道の機能は先だって買収したハフポストに統合するという。
バズフィードは2015年から日本でもヤフーとの合弁企業として事業を展開しており、本欄の読者にも多少、なじみがあるかもしれない。日本上陸当初は新しいデジタルジャーナリズムの息吹として注目されていたが、その後ヤフーとの資本関係を解消している。バズフィード日本版も、親会社同様、報道関連の発信はハフポストに統合されることになり、かつて日本版でジャーナリスティックな記事を執筆していた記者が他部門へ異動したり、他媒体に移ったりする動きが見られる。
バイス・メディアは、バズフィー...