マレーシアで人口の6割以上を占めるイスラム教徒(ムスリム)の間では、宗教上の理由などから子だくさんの家庭が多い。国民の所得水準が向上していることもあり、最近では知育教室やインドアプレイグラウンド(室内遊び場)など子どもをターゲットにしたビジネスが花盛りだ。
4月下旬の断食明け大祭に合わせ、当地でも任天堂の人気ゲームのキャラクターを題材にしたアニメ映画「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」が封切られた。首都クアラルンプール中心部のシネコンに親子3人で足を運ぶと、同作品などを上映する二つのスクリーンが子連れ向けになっていた。
客席の前方にある画面の下のスペースには、滑り台などの遊具が設置されている。映画の音量や冷房などは控えめで、上映中も薄明るい照明が保たれ、子どもたちは声を上げたり動き回ったりして気ままに過ごす。皆お互いさまなので、誰も気にすることはない。
国内で最も土地の価格が高そうな場所のシネコンで、子連れ向けのスクリーンが二つも用意されているとは、「キッズフレンドリー」なビジネスが有望視されていることがうかがえる。ちなみに、3歳の息子は映画そっちのけで遊具に夢中になっていた。...