来阪catch

胸の奥の初恋思い

映画「心に吹く風」
主演 真田麻垂美
監督 ユン・ソクホ
2017年7月2日

甘く幸せだった時間

「初恋の大人のおとぎ話の世界に…」と話すユン・ソクホ監督(左)と真田麻垂美=大阪市北区の梅田スカイビル
真田麻垂美(左)と眞島秀和(C)松竹ブロードキャスティング

 韓流ブームを作ったヒットドラマ「冬のソナタ」のユン・ソクホ監督(60)が初めて手がけた映画「心に吹く風」(松竹ブロードキャスティング、アーク・フィルムズ配給)が8日からテアトル梅田で公開される。北海道を舞台にしたラブストーリーで、ヒロイン役の真田麻垂美(39)とソクホ監督に見どころなどを聞いた。

 「冬のソナタ」はペ・ヨンジュンとチェ・ジウが繰り広げたラブストーリーで日本のNHKが放送し大変な人気を集め、社会現象になったのも記憶に新しい。その影の功労者がソクホ監督で韓国ドラマ界の巨匠。そのソクホ監督がなぜ日本映画を撮ったのか。

 「本国で映画を撮るチャンスはあったのだが、いろいろ条件が合わず、今回、日本から声がかかり、理想の形で撮れることになり、いい仕事ができたと思っている。自分の好きな企画で、1年かけて自分で脚本を書いて北海道の富良野で撮った」

 ビデオアーティストの中年男性(眞島秀和)が北海道の富良野に仕事で訪れて、そこで昔の恋人(真田)に久しぶりに再会し、しばしの時間が描かれる。「男は昔の懐かしい時間に返るが、女は結婚しているので、どうしようもない。僕も含めて誰もが経験したであろう初恋を思い出すような話にした。女性が人妻なので、垣根を越えると不倫になる。そこをどう踏み留まるか」とソクホ監督。

 映画のためのワークショップに参加してヒロインに選ばれた真田は「『冬のソナタ』の監督さんと聞いて緊張したが、映画の話がとてもシンプルで美しい恋物語で、ぜひやりたいと思った。その時、長くやっていたヨガをやめて素の状態だったので、撮影に素直に入っていけた」と真田。

 「とても透明感がある美しい人で、平凡な女性だが、心に何かを秘めているヒロインにぴったりだった」とソクホ監督。どこかチェ・ジウに似ているようで、相手役の眞島もペ・ヨンジュンの雰囲気がある。「それは僕が純粋な大人の童話が好きなのでそうなるのかもしれない。僕の胸の奥にあった初恋の思い出が出たのは確かだと思う」とソクホ監督は本音を吐露する。

 「監督とフィーリングが合って気持ちよく撮影が進んだ。初恋の高校時代を思い出しながらヒロインが恋人に再会し、甘く幸せだった時間を思い出す。現代につながるプロセスを緊張しつつ演じたが、撮影が終わった時、監督のマジックにかかっていたという感じでしばらく元に戻らなかった」と真田は笑顔で振り返る。

 本作は松竹ブロードキャスティングの「力のある監督が撮りたい映画を自由に撮る」「新しい俳優を発掘する」をテーマにしたプロジェクトで、沖田修一監督「滝を見にいく」、橋口亮輔監督「恋人たち」、坂下雄一郎監督「東京ウィンド・オーケストラ」に続く第4弾。「北海道の景色や音の美しさと一緒におとぎ話の恋の世界に浸ってください」と2人は異口同音に締めくくった。