トップページ

最優秀作品紹介
  ・第1回
  ・第2回
  ・第3回
 『真実と 人に寄り添う 記事がある』を代表標語にした第71回新聞週間が15日にスタートした。新聞週間にちなみ、13日に表彰式が行われた「第4回日本海新聞・児童生徒新聞感想文コンクール」(新日本海新聞社、日本海新聞を発展させる会主催、鳥取県教育委員会後援)の最優秀賞受賞作品を紹介する。

 コンクールは、次代を担う児童生徒が新聞に親しむとともに、記事の感想文を書くことで読解力や表現力、社会への関心を高めてもらうことがねらい。今回は小学生の部に170点、中学生の部に197点、高校生の部に124点、合わせて491点の応募があった。

 応募作品には、新聞を開いて見つけた記事に問題意識を持ち、自分の意見をまとめた力作が多く見られた。
  最優秀作品紹介
小学生の部・坂本 麻央さん 明道小4年
1月31日の日本海新聞 「視覚障害者 雪に悲鳴 点字ブロック消え外出危険」を読んで
 年末、私たちの学校に、目の不自由な方がゲストティーチャーで来られました。生活の中で工夫されていることや、手助けの方法などを教えていただきました。

 そんな時にこの記事を読みました。雪が積もった歩道は、だれもが危険です。点字ブロックが雪で覆われてしまうと、歩く手がかりがなくなってしまうのです。

 鳥取県内だけでも、視覚障害者手帳を持つ人は2162人もおられるそうです。こんなにたくさんの方が、不便な思いをされています。この記事を読んで、私でも何かお手伝いできることがないか考えました。

 記事には、人手不足で「同行援護」という制度が不十分ということが書いてありました。私は図書館で、どのような制度なのか調べてみました。

 「同行援護」は、目の不自由な方が外出される時に、必要な援助を効果的に行うことで、その手助けを行うには「同行援護従業者」という資格が必要だそうです。全部で42時間もの研修を受けなければならないそうです。私はボランティアで、だれでもできることだと思っていました。残念ながら、今の私には資格を取ることができません。

 でも、資格がなくても、お手伝いできることはたくさんあります。ゲストティーチャーの方も言われていましたが、通り慣れた道でもちょっとしたアクシデントはよくあるそうです。そんな時に少し手伝ってもらえると、とても助かるそうです。私は、もし困っている方を見かけたら、声をかけようと思います。

 雪だけでなく、自転車や看板など、展示ブロックをふさぐものもよくあります。どけられる物は、私はどけようと思います。

 新聞を読んで、疑問に思ったことを調べて、問題点や解決の仕方などを自分なりに考えることができました。目の見える人が、目の不自由な方の障害にならないように、気を付けなければならないと思いました。

 ※原文の一部平仮名を漢字に変換しています。

坂本麻央さん
《コメント》
 学校で視覚障害者の方の話を聞いたのが、この記事を選んだ理由です。記事に載っていた「同行援護」制度についても調べましたが、たとえ資格がなくてもお手伝いできることがあることを伝えたいと思いました。テレビのニュースも見ますが、新聞には新聞にしか載らないニュースがあり、休みの日には父と一緒に読んでいます。

中学生の部・山名 歩花さん 北溟中2年
8月5日の日本海新聞 「餌やりの理由『恩返し』 原爆孤児のスズメおじさん」を読んで
 今、窓からスズメが見えています。私が小学生の時に庭に餌台を作りました。飼っているインコの餌の残りカスを庭にまいたらスズメがやってくるようになり、それで祖父と手作りしました。

 スズメが餌を食べる姿は、ちょこちょこツンツンしていて、とてもかわいくて夢中で見てしまいます。自分のものだと他の子に攻撃したり、お父さんお母さんと一緒にやってきたヒナがまねして一生懸命つついたり、毎日変わる餌台の上の景色が私の楽しみです。

 この記事に出てくるスズメおじさんも、スズメの顔や性格の違いもわかるといいます。私もその感覚がわかるので、親近感をもってこの記事を読み始めました。スズメおじさんは、10年間毎日、原爆ドームの前のベンチを訪れ、スズメにスナックパンを与えています。おじさんには、忘れたくても忘れられない過去がありました。

 おじさんは10歳の頃に被爆し、両親を亡くされました。戦後の幼少期時代は食料が乏しく、誰もが生きるのに必死でした。その時、食料の一つとされていたのがスズメです。スズメを捕まえるのを手伝うと大人から分け前をもらうことができ、捕まえたスズメを指で一つずつ絞めたそうです。スズメを殺すなんてかわいそう。でも、同じ立場なら私もそうしなければ生きていけないと思うと、なんとも言えない気持ちでした。

 そのようなことがあり、おじさんはスズメに恩返しの気持ちで餌を与えているそうです。そして、原爆ドーム前で、というのは行方がまだわかっていない母が眠っているはずと、仏壇のように思っているからだそうです。

 記事の一文の「原爆孤児には戦中より悲惨な戦後があった」に、私はとても衝撃を受けました。戦争があった時だけでなく、それよりも苦しんだ戦後があったというのは初めて知りました。スズメおじさんのような幼少期を過ごした人が大勢いて、今も罪悪感に苦しんでいるなんて…。

 私が今、目の前にいるこのかわいいスズメたちを食べなければ生きられない状況になったら、それは大人になっても忘れられない出来事になると想像できます。そんな風になりたくないし、周りの人にもそんなことにはなってほしくないです。

 スズメおじさんは、原爆ドーム前でスズメに餌やりをする理由をなかなか話されなかったそうです。記者の方が5年にわたって取材してわかったということも、おじさんがまだ苦しんでいる証拠だと思います。

 戦後73年たってもこんなに苦しむ人がいる、その原因となった戦争を私たちはこれから先、絶対にしてはいけないと思いました。明日は広島の原爆の日、こういう新聞記事やテレビの番組を通して、私たち戦争を知らない世代も戦争について考え、二度と起こさないよう心に誓うべきだと思いました。

山名歩花さん
《コメント》
 自分が選ばれるとは思っていなかったので驚きました。新聞を読んでいて興味のある記事を見つけると、身近に感じて面白いです。動物が好きなので見出しのスズメが目につき、この記事を選びました。新聞は、社会の良いことや悪いことの「事実」が書かれていることに改めて気付きました。1回で理解できなくても何度も読めるので詳しいことが分かりやすいです。
高校生の部・石賀 美月さん 倉吉東高2年
7月28日の日本海新聞「底が抜けた社会で4 生きてほしいのさ」を読んで
 「生きる」とはどういうことなのか。私はこの記事を読んで深く考えることができました。みなさんは2年前に起きた、相模原殺傷事件を覚えていますか?19人が刺殺され、26人が重軽傷を負った大量殺人事件です。あまりにも卑劣で凄惨(せいさん)な事件だったので、当時は新聞でも大きく取り上げられていました。その新聞の記事に載せられていた、目を疑うような犯行声明を私は今でも忘れることができません。

 「障害者は生きる価値がない。障害者を殺すことで不幸を最大まで抑えられる」

 私はこの声明を読んで、暗闇に突き落とされるような気持ちになりました。どうして障害者であるだけで生きることを否定されるのか。私も、生まれつき左耳が聞こえないという障害があります。そのことで、人から嫌われたり苛(いじ)められたりすることもありました。だから本当にこの声明が許せませんでした。

 きっとこの事件の犯人も、私を苛めた人たちも、自分たちの世界から自分と違うものを追い出したかっただけだと思います。それでもそんな自分勝手なエゴに人を巻き込むのはおかしいです。相模原殺傷事件で殺された方たちも、きっともっと生きたかったはずです。それなのに、インターネットではこの犯人に賛同している人が一定数います。

 障害者は何の役にも立たないから殺してしまおう、そう思っている人が身近にいるかもしれない。そんなことを考えると、怖くて怖くてしかたありませんでした。また、自分も生きる価値がないのかなと思うこともありました。生きてるだけで誰かに迷惑をかけているのかも、そんな不安が脳にこびりついたように離れませんでした。

 そんな不安を抱えたまま2年たち、私はこの記事を見つけました。この記事の中で、私の心に最も響いたのは、早坂氏の「皆、神様に『いいよ』って言われて、生かされてるんだからよ。生きてほしいし、生きるべきだろ?」という言葉です。

 目から鱗(うろこ)が落ちたような気分でした。この世界を創った神様がいるとしたら、神様はきっとムダな物は創らないと思います。だから今生きている人たちは、皆誰かにとって必要なんだと思います。そしてそのことがわからない人たちが、他人を傷つける言動をとってしまうのだと思います。

 ということは、誰にとっても生きやすい社会にするためには、互いに思っていることを分かち合って、互いを大切にし合うことが重要だと思います。「生きる」とは偏見なくお互いを認め合っていくことです。

 そして偏見を持たずにいるためには、やっぱり広く情報に触れることが一番良いと思います。それをするのに最適なツールが新聞です。だから私はこれからも毎朝新聞を読んで、偏見で人を見ることのない、どんな人でも人を人として尊重できる人生を歩んでいこうと思います。

石賀 美月さん
《コメント》
 新聞の感想文というのは新鮮で、楽しく書けました。障害について自分とは違う視点でとらえていた点に興味を持ち、この記事を選びました。中央省庁の障害者雇用率水増し問題がありましたが、多くの人に新聞を読んでもらい、マイノリティーへの理解が深まるといいと思います。短い文章で客観的に書いてあり、好きな記事は切り抜いて保存できるのが新聞の良さです。
  第4回 受賞者
小学生の部
【最優秀賞】 坂本麻央(明道4年)
【優秀賞】 角弥笑(和田6年)
会見奏平(美保4年)
松本藍子(小鴨5年)
【優良賞】 鳥飼綾乃(小鴨5年)
森本小詠(小鴨5年)
馬野佑二郎(赤碕6年)
猪口真央(散岐5年)
林美郁(美和6年)
【優秀学校賞】 小鴨
中学生の部
【最優秀賞】 山名歩花(北溟2年)
【優秀賞】 岸本結郁(福米3年)
小山香織(江山3年)
大原万由子(湯梨浜学園1年)
【優良賞】 西川小雪(若桜学園8年)
桝大希(福米1年)
寺坂怜南(桜ケ丘3年)
中嶋菜々子(湯梨浜学園1年)
西山沙月(北条3年)
【優秀学校賞】 福米
高校生の部
【最優秀賞】 石賀美月(倉吉東2年)
【優秀賞】 縄田美香(青翔開智2年)
百名竹弥(米子北斗1年)
山根生喜(鳥取湖陵3年)
【優良賞】 中村莉南(鳥取敬愛3年)
奥田菜奈美(米子北1年)
香田桜子(米子北斗1年)
井上舞美(青谷3年)
田中七海(鳥取湖陵3年)
【優秀学校賞】 鳥取湖陵


■お問い合わせ

新日本海新聞社読者販売局
TEL0857-21-2877
【主催】新日本海新聞社 、日本海新聞を発展させる会
【後援】鳥取県教育委員会
 
 
トップページ 速報・地域ニュース主要・地域ニュースコラム・論説釣り情報イベント案内購読申し込み

 当サイトの著作権について

 本ページ内に掲載の記事・写真など一切の無断転載を禁じます。すべての記事・写真の著作権は新日本海新聞社に帰属します。
 ネットワーク上の著作権について(日本新聞協会)