「釣れ釣れ草」22年間の御愛読の御礼

大森均の釣れ釣れ草

 本紙既報の通り、7月末日をもって大阪日日新聞が休刊のやむ無きに至りました。当欄「釣れ釣れ草」も2001年より22年間(1100回超)にわたる連載を維持できましたことも、ひとえに読者の皆さまからの御声援のたまものと厚く御礼申し上げます。8月からは、引き続き大阪日日新聞の親会社である日本海新聞で「大森均の釣れ釣れ草」としての連載が決定致しました。デジタル版での御愛読は可能でございますので、その節はよろしくお願い申し上げます。

 22年の御愛読、誠にありがとうございました。

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 最終回は、1100回超の連載の中で一番反響のあった記事をリライトして終幕としたい。

 「釣り師の女房はいらつくらしい」

 まず、当宅の平和のためにあくまで一般的な他家の話と断っておく。

 「わが家で新鮮な魚を食することができるのは俺が釣りをするからだ!」などと、さも自分の趣味を家族が認めているかのごとく思い込んでいる釣り師は多いものだ。しかし、私が知る限り家族から迷惑に思われていることはあっても、認められていることはほとんどない。

 女房に至ってはその趣味を持つ亭主と結婚したことを後悔しているフシすらある。亭主は家庭サービスなどそっちのけで週末は決まって海や川に出かける。自分は家計をやりくりし、欲しいバックや洋服も我慢しているのに、交通費やエサ代など相当の経費をかけて釣行に及んでいることは間違いないと想像できるからよけいに憎たらしい。

 家のなかに目を転じると、次々と増殖するかのごとく増える道具に「魚を釣るのに竿(さお)は1本で十分じゃないの?」なんて言葉がなじるように発せられる。竿を新調したパッケージに書かれてある価格「○万円」を発見した妻は激怒する。釣具店で「パッケージは不要です」と、中身だけ持って帰る人が多いと聞くが、こんな家庭の事情があるからに違いない。

 めったにない釣果に恵まれて、いかにも食卓に花を添えたと言わんばかりに胸を張る亭主に「買ったほうがよっぽど安い」なんて悪態をついても、その程度では到底腹の虫が治まらないからやっかいだ。

不潔な洗濯物

 釣り師の女房の不機嫌は次の日の洗濯の瞬間にも及ぶ。古書に釣りの帰りにお妾さん宅へ獲物を持って訪れたが、醸し出す臭いにその日は招き入れてはもらえなかったと書かれている。釣り人が釣りを終えて帰宅した時、放つ臭いは昔も今も同じに違いない。

 まず、臭いの原因はエサが一番疑わしい。川釣りならサナギやウイキョウ末、海釣りならイワシのミンチなどエサそのものが臭いの強いものが多い上、集魚効果のあるまぶし粉や配合エサと併用するので、嫌でも体や服に臭いが移ってしまう。この強烈な臭いのする不潔な洗濯物を一緒には洗えない。二度手間に無性に腹が立つ。

魚を捌く苦痛

 もうひとつ、釣り師の女房が嫌う極め付きは、魚を捌(さば)くことだ。家族がおいしく食べられる適当な量ならまだしも、「大漁!」と亭主が上機嫌で釣果を誇る時ほど、比例して不機嫌になる。魚はスーパーの切り身が普通の世の中で、亭主が釣りをするばっかりに魚を捌く苦痛がともなうことにも我慢がならない。こうなると、楽しそうに釣り番組を見ている亭主の姿をみているだけで不愉快になり、「釣り」そのものも嫌悪の対象になって「釣りが人生のすべて」のような亭主がアホに見えて仕方がない。

 釣り師の女房はいらつくらしい。

週末のイチオシ気配

■船①■泉佐野・大阪

 良型マアジおもしろい。淡路沖に出て同魚30~40センチ10~20尾。胴付き3本針、オモリ40号。エサはオキアミ。要予約。▽海新丸=電話072(469)2332

■船②■小浜・福井

 小浜から敦賀沖にかけてマイカの群れが入った。連日、小浜沖の半夜釣りで同魚10~40センチ20~50パイが竿頭。要予約。▽村古心共丸=電話0770(52)2854

■船③■比井・和歌山

 日の岬沖に出る半夜釣りでアカイカが堅調。胴長12~30センチ40~70パイが連日の竿頭。ウキスッテ2.5号、オモリ60号。要予約。▽岬旅館=電話0738(64)2975

■船④■明石・兵庫

 すこぶるおいしい良型アジ・サバ便がおもしろい。アジ35センチ前後10尾にサバ40センチ前後5尾。おいしいお土産確実!要予約。▽丸松乗合船=電話090(6981)4620

■磯①■大引・和歌山

 イシガキダイは、全般的には型は小さい(40センチまで)が堅調。上物はカゴ釣りでイサキ30~35センチが5~10尾程度。▽村井渡船=電話0738(65)1041

■磯②■梶賀・三重

 23日、イシダイ70センチ登場。エサはウニで。底物アタリ頻繁。他に半夜釣りで尾長グレ期待できる。バラシ続出、太仕掛けで臨みたい。▽榎本渡船=電話0597(27)2211

■筏①■本浦・三重

 連日2桁釣果が出るようになった。24日、チヌ29~46センチを14尾(サナギ・コーン・オキアミ)。エサ盗りは小サバ。▽やま栄渡船=電話0599(32)6009

■筏②■堂の浦・徳島

 チヌ上昇気配。連日20~50センチがいい人で3~5尾。26日、湾口のカセで同魚26~43センチ8尾。エサは、サナギ、コーン、生ミック。▽斎藤渡船=電話088(688)0453

■波止■北港・大阪

 チヌ落とし込み絶好調続く。舞洲で同魚30~50センチ10~30尾見込める。他にはタコジグでマダコ200~500グラム15ハイ。▽ヤザワ渡船=電話06(6573)7712

■釣り公園■尼崎・兵庫

 小アジの群れ回遊。釣り台外向き西のサビキ釣りで同魚8~11センチ50~80尾と他にサバ15~23センチが数尾交じる。▽公園事務所=電話06(6417)3000

 (大阪日日APG 清水智之)

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