米子市淀江町淀江の和傘伝承館で、地元の米子白鳳高生による淀江傘の製作が始まった。2年の選択科目「伝統芸能」として実施し、12月22日まで全10回の工程で各生徒が1本ずつ仕上げる。
江戸期からの製造技術を受け継ぐ「淀江傘伝承の会」会長で県伝統工芸士の山本絵美子さんが毎年受け入れている。10年目となる今年は生徒4人が参加した。
製作するのは同高の郷土芸能部が「淀江さんこ節」の演技で使用するオリジナルの「白張り踊り傘」。初日の8月25日は、傘の開閉時にスライドさせる重要部品「手元ろくろ」へ36本の小骨を取り付ける細かな工程に挑んだ。生徒は山本会長の解説に耳を傾けながら、針と糸を通して小骨1本ずつ連結させていった。
郷土芸能部員でもある石原美心さん(17)は「卒業生の兄が傘製作の授業を受けており、楽しさを聞いていたので自分も参加した。とてもいい体験で完成が楽しみ」と作業をこなした。
長年にわたり淀江傘の魅力発信に努める山本会長は「若い方に興味を持っていただき大変うれしい」と話した。