政治家というのは「人気商売」で、とにかく当選しないと話にならない。政権も、選挙で勝たないと維持できない。岸田文雄首相や官邸のスタッフが「支持率」の上下に一喜一憂するのは当然だし、それが民主主義というものだろう。
以前から気になっていることの一つは、日本語の「支持率」に当たる英語表現中の「アプルーバル」という単語のニュアンス。「承認」「同意」「是認」という意味であり、有権者が主役の感じがより強い。アメリカのバイデン大統領や、イギリスのスナク首相の仕事ぶりに対して、国民が「合格」「不合格」と言っている感じが伝わってくる。
もちろん、単なる言葉の問題ではあるし、日本語の「支持率」も、有権者が主役なのだという当たり前の原点に立ち返って解釈していけばいいのだろう。政治家の仕事ぶりを評価して、承認あるいはダメ出しするのは私たち有権者。議員や大臣たちが、国民から国を運営する仕事を負託されているのだという原則を常に忘れないでいたい。
ところで、人間の脳の働きという視点から厄介なのは、日本で言うところの「支持率」が上がったり下がったりする理由が必ずしも明らかではないということである。岸田首相の立場だと...